あうとわ~ど・ばうんど

藤川義明 & イースタシア・オーケストラ / ORIGIN

イースタシアの3連続リリースも早や最後となった。

オリジン(スペシャル・エディション)

オリジン(スペシャル・エディション)

藤川義明(cond, reeds) 吉田哲治, 小宮いちゆう(tp) 板谷博, 佐藤春樹(tb) 林栄一, 梅津和時, 清水末寿, 片山広明, 高野正幹, 松本浩, 井上敬三, 広瀬淳二(reeds) 翠川敬基(cel) 池田芳夫, 早川岳晴(b) 藤井信雄, 菊地隆(ds) 横山達治(per)
イースタシアのモビーズ・レコード2タイトルでは、「照葉樹林」のほうが圧倒的に世評が高いと思われるが、私も世評に同意する。たぶん1作目と違うことをやろうとした結果なのだろうと忖度するが、「照葉樹林」に比して、まとまりすぎているというかこぢんまりとしている感が否めない。
むしろボーナストラックが面白い。新宿ピットインのライブは粗い音ながら、ライブならではの演奏の荒々しさ生々しさが耳を惹きつける。2枚目も同様だが、こちらは東ベルリンのジャズ祭でのライブ盤「イースタシア・オーケストラ(紙ジャケット仕様)」の6日前、メールスの客席で録られたと思しき録音(いわゆるブート音質に近い)で、東ベルリンの演奏が疲労のピークの果ての奇跡的名演であったなら、メールスはツアー前半の「さあ、やったるで!」というムード(ライナーノーツより)が良い方向に作用しているようで、聴き比べてみるのも一興かも。