あうとわ~ど・ばうんど

Miles Davis Quintet / Live in Europe 1969

実のところ、収録されている音源は(DVDも含めて)聴いたことがあるし、買うつもりはなかったのだが、発売直後に近所のタワレコで見かけ、ついポイントが貯まっていたことを思い出し、なんとなく購入してしまったのである(しかも買ったことを忘れて、今日までオレンジ袋を開けもせず放りっぱなしにしてた。苦笑)。

Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969

Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969

Miles Davis(tp) Wayne Shorter(ts, ss) Chick Corea(elp, p) Dave Holland(b) Jack DeJohnette(ds)
収録CDは「1969マイルス」とその翌日(69年7月26日)のライブ(古典的ブート「1969 Miles : Second Night」として有名)、同11月5日のストックホルム・ライブ(同「Swedish Devil」として有名)のうち昼の部全曲と夜の部から1曲「This」という構成で、DVDもこれまた古典的ブート「Miles in Berlin」として有名な同11月7日のライブの映像である。しかしながら、CD3枚目のストックホルムのセレクトは一体なぜこうなった?というなんとも不思議なものである。
マイルスのブートは一時かなり買い漁っていたが、ある時、憑き物が落ちたように興味がなくなってしまい、公式盤を残して結局すべて売り払ってしまっていて、「1969 マイルス」以外は久しぶりに聴いた。
「1969 マイルス」はある意味耳タコというか、かなり耳馴染んでいて感興にそう変化はないのだが、久しぶりに聴いた7月26日ライブはあれこんなに良かったのかと。思い入れ補正もあって前日の演奏のほうが好きなのだけれど、いや演奏の質としてはやっぱりこちらが上かなあという印象。
ストックホルムはチックがアコースティックピアノを弾いてることで有名な音源だが、1曲目「Biches Brew」序盤からエレピの音にガキガキ雑音がまじると思っていたらじきに雑音しかしなくなりそれでもしきりに異音を鳴らしていたが(時期が時期ならアイアート・モレイラの小道具と間違える所だ)ついには諦め曲後半でアコースティックピアノ登場となるさまはやっぱりドキュメントとして面白い。
2枚目と3枚目で「Nefertiti」が演奏されているが、アルバム「NEFERTITI」のオリジナルヴァージョンには無いピアノソロが良く、これが後にチックがサークルや ARC トリオで(自分の曲でもないのに)しつこく「Nefertiti」を演奏することにつながっているんだなーなどという感想も浮かぶ。といった感じで久々に堪能した。ちなみにDVDは観てない。