John Lewis / Jazz Abstractions
廉価版再発から。
- アーティスト: ジョン・ルイス
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2013/01/23
- メディア: CD
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本作は1960年12月19〜20日の録音、ちなみに翌日がオーネット・コールマン「Free Jazz」およびドルフィー=リトル「Far Cry」の録音日。ガンサー・シュラーとジム・ホール(1曲)が作曲、ジョン・ルイスは監修のみ。発売時点では交通事故により故人となっていたスコット・ラファロに捧げられている。
アルバムはジャズ史的には『サード・ストリーム』が云々という文言をよく見かけるけれど、まあそれは気にせず、参加メンバーのバラエティーを楽しむことにする。ドルフィー、オーネット、ビル・エヴァンス、ジム・ホール、スコット・ラファロ、ジョージ・デュヴィヴィエ・・・・・と前衛系が顔をそろえる(一般的なイメージと異なり、私はビル・エヴァンスやジム・ホールを耽美派の仮面を被った変態ととらえているわけだが)。
序盤2曲にはドルフィーは入らず、1曲目でオーネットがフィーチャーされる。こう言ってはなんだが、オーネットも自作曲以外では魔法のかかり具合が弱いかもしれない。3曲目「ジャンゴ変奏曲」ではオーネットが抜け、ドルフィーが入る。ドルフィーはフルートソロもあるが、さほどの活躍ではない。最後の「クリス・クロス変奏曲」で、ドルフィーVSオーネットが実現するが肩すかし気味。ただしドルフィーはアルト・フルート・バスクラを駆使して主役級の扱いで、バスクラでラファロとデュオになるパートがハイライトだろうか。
とはいえ、これらの面子を愉しむアルバムではないなあ、というのがやはりの感想。むろん不満の解消には、オーネット・ドルフィー・ラファロらが翌日録音した「Free Jazz」を聴けば良い。