あうとわ~ど・ばうんど

Vijay Iyer / Accelerando

Accelerando

Accelerando

Vijay Iyer(p) Stephan Crump(b) Marcus Gilmore(ds)

ヴィジェイ・アイヤーのピアノが好きである。彼の緻密な混沌というのか、独特なピアノサウンドにはいつも引きずり込まれる。
オリジナル曲もよいのだが、最近は常に先達たちの曲が取り上げられていて、それも楽しみの一つ。

このトリオの1作目「Historicity (Dig)」ではアンドリュー・ヒルやジュリアス・ヘンフィル(「Dogon A. D.」ですぞ!)が取り上げられており、続く「SOLO」ではセロニアス・モンクデューク・エリントンといった具合。

今作ではハービー・ニコルスやヘンリー・スレッギル(「Little Pocket Size Demons」ですぞ!)の曲が収録され、その名を目にするだけで大いに心くすぐられる。さらには有名ポップ曲も散見され、「Human Nature」はソロに続いてトリオヴァージョンでの登場。

しかしながら、それらの曲たちは、有名曲につられて買う人がいるかもしれないからやってみました的なものでは当然なく、曲の肝はしっかり押さえつつ完全に自己のサウンドと化していて、その手際にいつも舌を巻く。


参考音源