あうとわ~ど・ばうんど

Steve Lehman Trio / Dialect Fluorescent

Dialect Fluorescent

Dialect Fluorescent

Steve Lehmanの新作は、傑作「Camouflage Trio/Interface」(06年9月10日参照)以来のコードレスサックストリオ。
Mark DresserとPheeroan akLaffという大先輩を相手に食って掛かるような激しいプレイを繰り広げていたCamouflage Trioとは違い、5歳下のMatt Brewerと1歳下のDamion Reidとのコラボレーションではより緊密な演奏を目指したのだろうか。一部試聴で感じていた以上にオーソドックス寄りというのか、ストイックな抑制感がある。
一曲目は無伴奏ソロ。続けて自作曲、有名曲を交互に配置していく。有名曲はコルトレーン作の「Moment's Notice」、デューク・ピアソン作の「Jeannine」、レスリー・ブリッカス作の「Pure Imagination」(!)。そして最終曲が、アンソニー・ブラクストンと並ぶ彼の師匠であるジャッキー・マクリーンが作った「Mr. E」。「Moment's Notice」をふわふわした曲想にしてみたり、「Pure Imagination」でハードブローイングを見せたりといった展開に虚を突かれる。
個人的にはもう一歩踏み込んだ異様な構築美やそれを突き破る過激なブロウを期待したいところではあったのだが。

プロモ。