Steve Lehman の初期ライブ作品を振り返る
「Interface」のリマスター再発LP化を記念して、というわけでもないが、久しぶりに聴く。
- アーティスト: Steve Lehman
- 出版社/メーカー: Clean Feed
- 発売日: 2011/04/05
- メディア: CD
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
このアルバムのことは旧ブログに10年前に書いているけれど、初めて聴いたのはその2年前で、大変な驚きと興奮をもたらしたことをよく覚えている。今でこそリーマンと言えば、作曲と編曲と即興が高度に精緻に絡み合った音楽性が個性と認識されていると思うが、私が彼の演奏に初めて触れたのは本作で、とにかく若さと才気とガッツあふれる激しいプレイにしびれ、いっぺんに好きになったのだった。しかし残念なことに、彼のこうした路線はその後「Mainfold」がややそれらしいと言えるのみで、むしろ本作と同時期にリリースしていた「ARTIFICIAL LIGHT」が、Pi Recordings からのリリースを中心とした現在のオクテットやクインテットあるいはトリオの原型となっているようだ。
「Interface」が好きな人は、本作以前の2作品(いずれも本作と同じ、初期のライブアルバム)を探して聴いてみるといいだろう(入手がすごく難しいけれど)。
Structural Fire / Steve Lehman(CIMP, 2001)
Steve Lehman(as, sopranino, fl) Roy Campbell, Jr.(tp, flh) Kevin O'Neil(g) John Hebert(b) Kevin Norton(per, vib)
Camoflage / Steve Lehman(CIMP, 2001)
personnel same as above
なお、CDにこだわらなければ、iTunesでも販売されている。
ところで、両作品ともリーマンの自作曲が中心だが、いずれも1曲だけジャズジャイアンツのオリジナルが収録されている。「Structural Fire」にはジャッキー・マクリーン(リーマンの師匠の一人でもある)の「Action」、「Camoflage」(スペルが間違ってるのはタイトル通りで私のミスじゃない)にはコルトレーンの「One Down, One Up」という具合だ。ちなみにリーマンはかつて、ホームページで若いころのライブ音源(mp3)を公開していたことがあって、エリック・ドルフィーの「Gazzeloni」とラリー・ヤングの「Talkin' Bout J.C.」の2曲(いずれもメンバーはJohn Hebert(b)、Nasheet Waits(ds)とのトリオ)をありがたくダウンロードさせてもらい、そのCDRは今でも私のCD棚のリーマン・コーナーに並んでいるのだが、この2曲もまたとにかく熱く素晴らしい。ぜひともジャズマンオリジナルを題材に(でなくてもいいが)、存分にブロウしまくるアルバムをいつかまた聴いてみたいと切に願う。
Steve Lehman の過去記事一覧(旧ブログ)