あうとわ~ど・ばうんど

Steve Lehman の初期ライブ作品を振り返る

Interface」のリマスター再発LP化を記念して、というわけでもないが、久しぶりに聴く。

Camouflage Trio/Interface

Camouflage Trio/Interface

Steve Lehman(as, sopranino) Mark Dresser(b) Pheeroan akLaff(ds)


このアルバムのことは旧ブログに10年前に書いているけれど、初めて聴いたのはその2年前で、大変な驚きと興奮をもたらしたことをよく覚えている。今でこそリーマンと言えば、作曲と編曲と即興が高度に精緻に絡み合った音楽性が個性と認識されていると思うが、私が彼の演奏に初めて触れたのは本作で、とにかく若さと才気とガッツあふれる激しいプレイにしびれ、いっぺんに好きになったのだった。しかし残念なことに、彼のこうした路線はその後「Mainfold」がややそれらしいと言えるのみで、むしろ本作と同時期にリリースしていた「ARTIFICIAL LIGHT」が、Pi Recordings からのリリースを中心とした現在のオクテットやクインテットあるいはトリオの原型となっているようだ。

「Interface」が好きな人は、本作以前の2作品(いずれも本作と同じ、初期のライブアルバム)を探して聴いてみるといいだろう(入手がすごく難しいけれど)。


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Structural Fire / Steve Lehman(CIMP, 2001)
Steve Lehman(as, sopranino, fl) Roy Campbell, Jr.(tp, flh) Kevin O'Neil(g) John Hebert(b) Kevin Norton(per, vib)


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Camoflage / Steve Lehman(CIMP, 2001)
personnel same as above


なお、CDにこだわらなければ、iTunesでも販売されている。

Structural Fire

Structural Fire

  • John Hebert, Kevin Norton, Kevin O'Neil, Roy Campbell, Jr. & Steve Lehman
  • Jazz
  • USD 11.99
Camoflage

Camoflage

  • John Hebert, Kevin Norton, Kevin O'Neil, Roy Campbell, Jr. & Steve Lehman
  • Jazz
  • USD 11.99



ところで、両作品ともリーマンの自作曲が中心だが、いずれも1曲だけジャズジャイアンツのオリジナルが収録されている。「Structural Fire」にはジャッキー・マクリーン(リーマンの師匠の一人でもある)の「Action」、「Camoflage」(スペルが間違ってるのはタイトル通りで私のミスじゃない)にはコルトレーンの「One Down, One Up」という具合だ。ちなみにリーマンはかつて、ホームページで若いころのライブ音源(mp3)を公開していたことがあって、エリック・ドルフィーの「Gazzeloni」とラリー・ヤングの「Talkin' Bout J.C.」の2曲(いずれもメンバーはJohn Hebert(b)、Nasheet Waits(ds)とのトリオ)をありがたくダウンロードさせてもらい、そのCDRは今でも私のCD棚のリーマン・コーナーに並んでいるのだが、この2曲もまたとにかく熱く素晴らしい。ぜひともジャズマンオリジナルを題材に(でなくてもいいが)、存分にブロウしまくるアルバムをいつかまた聴いてみたいと切に願う。



Steve Lehman の過去記事一覧(旧ブログ)