あうとわ~ど・ばうんど

Negative Son

昨夜は、札幌くうへ。
Negative Son : 秋田祐二(b) 三輪雅樹(ds,per) 石田幹雄(p)
今年(たぶん)最後のライブ観戦。ということはつまり、ゼロ年代(たぶん)最後のライブ観戦。になるけれど、それがネガティブサンであるのは、なんだか象徴的な気がする。
先月は観てないので、2ヶ月ぶりのネガティブサン。このバンドは2部構成の場合、最近観てる限りでは、第1部で新曲を投入し、第2部ではいつものレパートリー、ということが多いのだけれど、いつものレパートリーにしても毎回切り口が違うというか変化し続けている。ので、「One of Latin」や「グスタフ」や「いきなりお墓だね」も、今年最初に聴いた時とはずいぶん印象が違う。そして、昨日は「皇帝」がやはり凄まじく、続けての「Super Safari」(お約束!)も影響受けてかヘンな感じで良かった。
アンコールは、石田ソロで「雪風」。音で表現されてるのに音無く降る雪の中にいる感覚になるような演奏で、途中、池澤夏樹スティル・ライフ」の雪描写を思い出したりして。

音もなく限りなく降ってくる雪を見ているうちに、雪が降ってくるのではないことに気付いた。(中略)
雪が降るのではない。雪片に満たされた宇宙を、ぼくを乗せたこの世界の方が上へ上へと昇っているのだ。静かに、滑らかに、着実に、世界は上昇を続けていた。ぼくはその世界の真中に置かれた岩に坐っていた。
   (池澤夏樹スティル・ライフ』中公文庫31-32頁)