The Thing + 大友良英
パソコンのない間、ライブを2本観た。いずれも札幌くうにて。
8日:坂田明 trio
坂田明(as, cl, 時々うた) 黒田京子(p) 水谷浩章(b)
11日:The Thing + 大友良英
Mats Gustafsson(reeds) Ingebrigt Haker Flaten(b) Paal Nilssen-Love(ds) 大友良英(g)
坂田トリオは、最近の、いつもの世界で(観るたびに、しゃべりが長くなってく気がするけれど。笑)、それでも押さえるべき所は押さえ、しっかり満足感を与えてくれる。今回は水谷氏がベースで、これがほんとうに良かったな、と。なお、現在北海道ツアー中の坂田氏は9日に東京にトンボ返りして The Thing と共演、昨11日は網走にてトリオ公演というスケジュールで、「どうせ北海道にいるのだから、札幌で共演すればよいのに」とご本人も嘆いていた。
で。昨日、念願の The Thing である。
開場10分前に会場に着いた。気合の入った連中が既に3人並んでいる(みんな知人。笑)。私は4番目。予定時間よりじゃっかん早く開場。受付で予約の旨を告げ(名簿順位は2位。ちなみに1位はアノ人である)入場。真ん前の座席を確保し、すぐに物販コーナーへ、という正しい(?)行動。「FIRE!」のCDが無いことに軽く失望しつつも、今回のメンバーでの新譜など3枚ほど購入した。
開演までは、周囲の客席を埋めてゆく知人らと話しつつ過ごす。客席には道内ミュージシャンも多数。くうが満席で立見までいる状況は私、初めての経験(笑)。みんな(もちろん自分も)興奮を隠せず、酒を飲んでないのに酔っ払ってるような感じ。じりじりと永劫のような30分、ではなく思いのほか早く時計は進み、主催のNMA 沼山氏のちょっと長めの挨拶に続いて、ついにメンバー登場。万雷の拍手である。
私の目の前、大げさでもなんでもなく手を伸ばせばさわれる距離にマッツが立つ。直背後にフラーテン、向かって右隣にポール、その隣に大友、という陣容。あまりのベストポジションに心中でガッツポーズ。演奏が始まった!
それを、私の貧弱な語彙では説明できない。音は無限に開かれていた。同時に寄せ付けなかった。ひたすら美しかった。同時に濁ってもいた。とても熱かった。同時に凍るようだった。音が、空間が、ハレーションを起こしていた。いやだめだ、やはり言い表せない。耳では全体を聴きつつ、私の目はやはりひたすらマッツを追いかけた。時折、彼の汗とも涎ともつかぬものを浴びた。観てるこちらも必死だった。
マッツはテナーとフルートフォンのみで、バリトンを聴きたかったのだが、持ってこなかったようだ。大友の参加はどうなのか、と危惧もあったが、悪くはなかった。ただ、正直言えばやはり、The Thing 3人のみの純正ヴァージョンをせめて一曲ぐらいは聴きたかった所ではあるが、それは仕方がない。北海道でやるのは最初で最後という噂も流れているが、ぜひまた万全態勢で来てほしいと切に願う今。
前述の、9日の坂田明との共演映像。
The Thing + Otomo Yoshihide + Sakata Akira@SuperDeluxe Part1
http://www.youtube.com/watch?v=GY8l_UOS7kk
Part2
http://www.youtube.com/watch?v=lOqw5T8g-50
The Thing + Otomo Yoshihide + Sakata Akira
"SuperDeluxe", Roppongi, Tokyo, Japan
2009-09-09
The Band:
Mats Gustafsson(Sax)
Ingebrigt Haaker Flaten(B)
Paal Nilssen-Love(Ds)
Yoshihide Otomo(G)
Akira Sakata(Sax,Voice)