あうとわ~ど・ばうんど

秋田祐二氏の新譜情報 (臼庭潤G)


AKETA'S DISK の新譜お知らせが先日、更新された。札幌が誇るわれらがベーシスト秋田祐二氏のアケタズディスク・デビュー(在札幌のミュージシャンとしては、初だと思います)発売はちょうど2ヵ月後。

■2009年8月30日発売予定■

★『Live at Lazy Bird』Jun Usuba

●Meta Hanamaki Aketa's Disk MHACD-2627 ¥2,800(税込)
「次代を背負う若きジャズ・リーダーが、北の大地を熱くこがした誰もが記憶から消えない炎の一夜!!」
臼庭 潤(ts)秋田祐二(b)横山和明(ds)

1. THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
2. YOU ARE MY HEART'S DELIGHT
3. OVER THE RAINBOW
4. CONFIRMATION
5. I'LL BE SEEING YOU
6. ORFEU NEGRO
7. ANTI CALYPSO
8. SONNYMOON FOR TWO (計58分)
■Recorded live at Lazy Bird, Sapporo, on Dec.17, 2008

http://www.aketa.org/cdnew.html


先行盤を聴かせていただきましたが、これは良いですね(実は昨年末のレコーディングライブを観てません・・・)。ふだんはスタンダードばかりのフォービートジャズってほとんど聴かないんですが、いやあジャズってやっぱりいいなあという演奏で。臼庭潤がとても楽しそうに嬉しそうにブロウしていて、聴いていて本当に心地よい。若手実力派の横山も非常に溌剌としていて、秋田氏も演奏のボトムをぐっと締める(ゆえに二人が実に伸び伸びとプレイしている、ように思える)。
臼庭自身によるライナーや、演奏そのものから察するに、ソニー・ロリンズの「Night at the Village Vanguard」などのコードレストリオが意識されていて、実際にロリンズ的フレーズや数々の引用フレーズ(や他にも峰厚介フレーズも)が聴き取れるけれど、物真似という意味でなく、しっかり自身のものにしたフレーズを次から次へとぶつけてくる感じで好感が持てる。「虹の彼方に」や「I'll Be Seeing You」でのプレイは特にしびれます。客の歓声というか叫び声が気になる(これはあの人だな、とか分かる気がします。笑)が、そういうのも含めて温かいライヴという感じでよい。
正式発売は2ヵ月後ですが、道内向けには来月26日の「ばんけいジャズフェス2009」(先月18日参照)にて先行発売されると思われます。


最後に載せるのは、札幌ジャズの縁の下の力持ちとして代え難い存在であり、秋田氏の妻でもある BIG MAMA さんが、レコーディングライブ直前に(告知のため)某SNSで書かれた文章で、レコーディングの成立事情についてまとめています。また、他のメンバー2人に比べ知名度の低い秋田氏の音楽についても説明されていて、非常に説得力があり、まさにそれこそが臼庭潤が秋田氏を選んだ理由ではないかと思えるので、この機会に多くの人に知ってもらうために、長くなりますが引用させていただきます。快く転載を認めてくださるとともに先行盤を聴かせてくださった BIG MAMA さんに深く感謝いたします。たいへんありがとうございました。
この思いが、そこから生み出された熱い音たちが、一人でも多くの人々の胸に届きますように!!

今年(引用者註・昨年)の夏のバンケイジャズフェスで大活躍した、臼庭潤から秋田のところに電話があったのは、10月くらいだったか
電話の内容は、
アルバムを作りたいのだがBASSを弾いてほしいという話だった。

特にツアー予定もなかったし、突然のことだった。
ドラムはナベサダの所にいた若手ドラマーの横山和明
ますます分からない。

何故秋田なんだろう。

ここで話は変るが中央線ジャズという本があるが
アケタの店を中心に繰り広げられているジャズシーン、やミュージシャン達、私がもっとも好きなミュージシャン達のことである。

本の文章の中にあった、印象的なことばが私の頭をよぎった

不確定要素が大半をしめ、ライブ自体不発に終わることもあるが
しかし、何かのきっかけで今まで聞いたことのない
強烈な個性がぶつかりドライブしグルーブする可能性を持っている
これこそ日本のジャズの誕生だ・・というようなことが書かれていた。

そのグループは、故武田和命氏のバンドのことだった。

それでは、札幌には中央線ジャズはあるのか?

まず、私の頭によぎるのは、ベースの秋田祐二である。

彼のベースはスタイルではない
生き様そのものだと思う。

一般的に足りないもの、それは確かにある。私も感じる部分があり
物凄く喧嘩してきた。

最近、それでもいいと思うのは

1 音がでかいのも
2 ピッチが悪いのも
3 上手く弾けないのも
4 バランスが悪いのも

彼がベースと言う楽器を弾き、そこに存在するための意思であり
生き様なのだと感じるからだ。

一生懸命練習しているのは1234を出来るようになるためではない
からなのだ。彼は一生懸命生きていると思う。
そう思うから、もう良いのである。

秋田のベースを不快に感じるひとがいてもいいと思う。
私は秋田祐二が札幌の中で存在しつづけていること自体が価値があることだと考える。

そんな、秋田をレコーディングのメンバーに選んでくれた
臼庭 潤にこの場をかりて ありがとうと言いたい。

NYで録音するか札幌で録音するかと言う選択があったが
どちらでも関係ない。
本人はまだ今日時点で何をやるか、全然聞いてないようだが
秋田がいてくれればいいと、言ってくれた臼庭の言葉を信じて
今日からのライブ、録音に向かうと言っていた。