あうとわ~ど・ばうんど

Night at the Village Vanguard

Night at the Village Vanguard
A Night at the “Village Vanguard”Sonny Rollins」(blue note)。57年、18曲132分。
ずいぶんと久しぶりの[名盤を聴く]コーナー。なぜかというと、ふだんハードバップ期のジャズをめったに聴かないし、昨年夏に大量処分してしまったからである(ぼくはほんとにジャズファンか?)。
でも忘れたころにCD屋でバーゲン品を買ってしまうことはあって(そうやって何度も同じアルバムを買ってしまうわけだが。苦笑)、これはそういうもの。
SAXOPHONE COLOSSUS」の翌年の演奏。装飾音符の一つ一つまですべて決まっていたかのような見事な構成美をみせた「サキコロ」と違って、このライヴ盤は気のおもむくままというか、構想力よりも奔放闊達な想像力が勝っている。20代半ばにして、スタジオでは完璧、ライヴでは怪物、という境地に辿り着いてしまっているわけで、後年の迷走ぶりも致し方のないところかもしれない(?)。
ところで。録音2年前にはチャーリー・パーカーが死んでいるが、この作品はパーカートリビュート的側面もあるのではないか。曲の選び方に影響が見て取れるような気がするし、「I Can't Get Started」の演奏はかなりパーカーを意識しているように思えるのだが。