あうとわ~ど・ばうんど

石蹴り遊び

石蹴り遊び〈上〉 (集英社文庫)アルゼンチンの作家フリオ・コルタサルの小説に、「石蹴り遊び」という奇態な作品がある。全155章のこの小説は、著者によって2種の読み方が用意されている。
一つは、第1章から順に読み始め、ほぼ時間軸に沿った形で物語が展開し、第56章で終わりとするもので、残る99章(物語の一部らしいものや、一見どんな関係があるのか分からないような種々雑多の断章の集まり)を読まずとも構わない、とする。
もう一つは、第73章から始まり、以下は著者の指定に従い1−2−116−3−84−4−71−5−81−74−6・・・と、前記の全56章の合間合間に断章を随時挿入しながら読み進める方法である。ただし、この方法では54章と56章の間に55章が現れず、また56章の終わった後も小説はしばらく続き、最後は「131−58−131−」と無限反復を繰り返すように設定されている(ちなみに第一の方法で読んだ場合と、第二の方法で読んだ場合では、小説の持つ意味合いが全く異る)。


音楽(ジャズ)の分野でも、こういうアルバムがあったらとっても面白いと思うんだけど。