あうとわ~ど・ばうんど

Get Up With It

ゲット・アップ・ウィズ・イット
Get Up With ItMiles Davis」(sony)。74年、全8曲124分。
マイルスの公式スタジオ録音盤の最高峰は何か?(実に限定的な問いではあるが)と訊かれたら、ぼくは間違いなくこの作品だと答える。「IN A SILENT WAY」や「BITCHES BREW」や「Tribute to Jack Johnson」よりも上だ、ぼくにとっては。(「やっぱ『Kind of Blue』だよねー」などと言う人は全くお呼びでない。味噌汁で歯を磨いて寝ろ)。
昔、120分テープに録音し、車の中で飽きるほど聴いた。いや、今でもマイカー通勤の車内の音楽の8割はこれだ。もはや、ぼくの無意識に刷り込まれているといっても過言でない。そして何百回聴いても、全く飽きがこない。
沈鬱な①「He Loved Him Madly」。心温まる②「Maiysha」。クールな③「Honky Tonk」。邪悪な④「Rated X」。スーパーマリオのBGMの上に『セント・トーマス』が乗っかった⑤「Calypso Frelimo」。どブラックな⑥「Red China Blues」。疾風の⑦「Mtume」。ファンキーな⑧「Billy Preston」。どの曲も名曲だ。
特にぼくが愛してやまないのが④「Rated X」。正邪一体のオルガン、グルーヴするリズム、そしてブレイク、漂うエレピのコード・・・いつ聴いても気が狂うほどカッコイイ。