あうとわ~ど・ばうんど

Ascenseur pour l'echafaud

死刑台のエレベーター[完全版]
なんだか、今夜はこういう気分だった。「死刑台のエレベーター[完全版]Miles Davis」(fontana)。57年、全26曲74分。Miles(tp)Barney Wilen(ts)Rene Urtreger(p)Pierre Michelot(b)Kenny Clarke(ds)。
うむ。最高だ。何度聴いても飽きない。50年代までのマイルスの演奏で一番好きだ。そう。ぼくの中では「カインド・オブ・ブルー」より上なのだ。
ちなみに、いつもは、オリジナルサウンドトラックの10曲26分だけしか聴かない(マスターテープの16曲は気が向いたときだけ)。とにかく、どの曲も本当に完璧すぎる。そもそも発売される予定がなかったにもかかわらず、アルバムとしての完成度はどうだ。
①「テーマ」⑤「シャンゼリゼを歩むフロランス」⑩「モーテルの写真屋」の冒頭のメロディー。この瞬間、激しくヤラレまくる。なんと官能的な音だろう。加えて、まるで母に棄てられた子供のすすり泣きのような、身を切るような切なさ。
⑦「ジュリアンの脱出」⑧「夜警の見回り」は、マイルスが入っていないにもかかわらず、濃厚なマイルスの匂いが漂う。これは重要だ。マイルスには何枚かそういうアルバムがあるが、そもそもアルバム用レコーディングでない本作ですらそうなのだ。
う〜ん、たまらん。