Vietnam: Reflections
旧譜から。「Vietnam: Reflections/Billy Bang」(justin time)。05年、全9曲70分。Bang(vln)James Spaulding(as,fl)Henry Threadgill(fl)Ted Daniel(tp)Butch Morris(conductor)John Hicks(p)Curtis Lundy(b)Michael Carvin(ds)Ron Brown(per)Co Boi Nguyen(vo)Nhan Thanh Ngo(dan tranh)。
上半期・国外ベスト5に選んだ「Bad Mouth/Conjure」で、ヴァイオリンが印象に残ったのだが、てっきりアルフレード・トリフだと思っていて、それにしては随分とジャズ寄りだなー、と思いジャケットを見るとBangだった。今年出たアメリカン・クラーヴェもう一枚の作品「Every Child Is Born a Poet」にも参加している。
Bangはベトナム帰還兵で、30年間PTSDに悩まされたそうだが、ベトナムを正面からテーマにすえてアルバムを作ったら、胸の支えが取れたのだとか。このアルバムは、その第2弾だそう。
で、内容はとても良い。①「Reflections」③「Lock & Load」⑨「Recncliation 2」といったアップテンポでの、これでもかと弾き倒すヴァイオリン、脇を固めるメンバーも個性派ぞろい。②「Ru Con」④「Ly Ngua O」⑧「Trong Com」は、小品的なベトナムのトラディショナルソング。そして、⑤「Doi Moi」⑦「Waltz of the Water Puppets」の、日本人の心性にも訴えかけてくるような深い情緒性がたまらん。今年5月に惜しくも故人となってしまったジョン・ヒックスのピアノも深い余韻を残す。