あうとわ~ど・ばうんど

Samgha

新譜から。「Samgha/早坂紗知 永田利樹 フェローン・アクラフ」(ohrai)を聴く。早坂(as,ss)永田(b)pheeroan AkLaff(ds)。全7曲49分。
昨年夏の大阪でのライヴ盤。録音も生々しい感じで好感。早坂の音楽には大編成のイメージがあるのだが、サックストリオというのはちょっと意外。
ところで、いつも感心するのが早坂の曲選びの妙。自作にしろ他人の曲にしろ(今作にオリジナルはありませんが)、独特の哀感漂うメロディーたちが彼女の表現にぴったりマッチしている。この作品でも、セリア・クルスの②「quinbara」、ドアーズの⑤「Light My Fire」、バーデン・パウエルの⑦「Cai Dentro」といった曲たちが心地よい。
ちなみに、早坂の演奏はけっこうリードミスが多くて、乱暴に言わせてもらえば、余計な力が入りすぎているのではないかと思うのだが、それがあの情動的な表現につながっており、すごく気持ちが分かるように感じられる。さらにもっと無礼なことを言うと、時折、自分が吹いているような気にすらさせられる(すみません。言い過ぎました)。
ベストは③「Samgha〜Peace Warriors」。フリー・インプロに始まり、サックス2本吹きを挟んだりしながら、彼女が敬愛するオーネットの代表曲へと雪崩れ込む。永田のベースは端正、アクラフのドラムも重厚だ。