あうとわ~ど・ばうんど

Sahara

GWは終わったが、本日もブラック系(とはいえ、ぼくは連休ではなかった)。「Sahara/McCoy Tyner」。72年、全5曲48分。McCoy(p,琴,fl,per)Sonny Fortune(ss,as,fl)Calvin Hill(b,per,reeds)Alphonze Mouzon(ds,per,tp,reeds)。
うーむ、連日まるでジェリコの選曲のようだ。カレー食いて。ま、それはともかく、このアルバムの疾走感が好きだ。正直に言えば、マッコイのピアノは、コルトレーンカルテット時代よりいくぶんかマシとはいえ、あまり好みではない。最初はいいのだが、長く弾いてると段々単調に聞こえてくる(彼から影響を受けた(と思われる)ジョン・ヒックスや板橋文夫らと比較すれば、よく分かると思う。マッコイの演奏はパワフルだが、ダイナミックではない。ダイナミズムとは、音の強弱、メリハリがあって成立する概念だと思う)。それでも、バンド一丸となっての熱気は素晴らしい。
好きな曲は④「Rebirth」。フォーチュンのアルトが良い。どうしてこういう演奏が、2年後に加入することになるマイルス・バンドでは出来なかったのか、理解に苦しむ。バンドの勢いを支えるアルフォンソ・ムザーンの多彩なドラミングも素晴らしい。マイルスが、トニーの同型ドラマーとしてデジョネットとともに言及した*1のもうなずける見事な働き。

*1:マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ」マイルス・デイビス、クインシー・トループ著 中山康樹訳 宝島社文庫100頁