あうとわ~ど・ばうんど

ひまわり

新譜から。「ひまわり/坂田明」を聴く。全8曲54分。坂田(as,ss,cl)フェビアン・レザ・パネ(p)吉野弘志(b)ヤヒロトモヒロ(per)。
バラード集(という括りになるのかな?)。坂田の代名詞ともいえるブリバリブヒョーな展開はなく(⑤で一瞬垣間見せるが)、メロディーをほぼストレートに歌い上げる。パネの透明感あるピアノ、吉野の堅実なベースと相まって、じっとり情緒的な演奏が展開されるが、ヤヒロのややトリッキーなパーカッションがスパイスとなり、ただ甘いだけの作品には終わっていない(と思う)。
ヘンリー・マンシーニ作のタイトル曲①、いずみたくの②「見上げてごらん夜の星を」(出だしで『鉄腕アトム』を連想するのはぼくだけだろうか?)、中村八大の④「遠くへ行きたい」など実にコテコテな選曲とアレンジだが、けっこう胸に沁みてしまう。坂田作の③「ウェディング・マーチ」、武満徹の⑤「死んだ男の残したものは」、バッハの⑧「G線上のアリア」も琴線に触れる。
ところで、このCDの収益はチェルノブイリイラクの子どもたちの医療支援に使われるそうだ。