あうとわ~ど・ばうんど

Senne Sing Song

旧譜を何枚か買ってきていた。「Senne Sing Song/Misha Mengelbelg Trio」(tzadik key series、05年)もその1枚。Mengelbelg(p)Greg Cohen(b)Ben Perowsky(ds)、全9曲58分。
噂には聞いていたが、なんとなんとポップなピアノトリオ作品ではないか。もちろん「ポップ」とは言っても、シャリコマ・ジャズなどとは一切関係がない。緊張感とリラクゼーション、メロディックとアクロバティック、旋律と不協和、伝統と前衛を縦横無尽、融通無碍に駆けめぐる。現代版モンクとでも言えばいいか。さすがはエリック・ドルフィーが惚れ込んだ人材だけのことはある。
個人的には2曲目「We Are Going Out For Italian」が印象的なのだが、全曲甲乙つけがたいぐらいに素晴らしい。ところで1曲目は、ドルフィーの「ラスト・デイト」では「Hypochristmutreefuzz」とクレジットされているが、本当は「Hypo Xmas Tree Fuzz」というのが正しいようだ。