あうとわ~ど・ばうんど

Standing Wave

Sten Sandellをご存知だろうか? Mats Gustafssonのサックスピアノドラム・トリオ「Gush」や、最近ではPaal Nilssen-loveの「Townorchestrahouse」に参加していたスウェーデンの中堅ピアニストである。SOFAというノルウェーのレーベルから、ピアノトリオのリーダー作を2枚出している。2作目の「Flat Iron」は持っていて、結構気に入っていたので、1作目の「Standing Wave」を(やはり)先週東京で買った。
全5曲62分。sandell(p)Johan Berthling(b)Paal Nilssen-love(ds)。メンツから察せられるとおり、非常にクールでアーバンなピアノトリオである(と、自分は思う。一般のピアノトリオファンには騒音に聞こえるかもしれないが、それは価値観の問題)。白眉は18分に及ぶ表題曲(2曲目)。オープニングは、ニルセン・ラヴの深みと凄みを感じさせるドラムとパーカス、ヨハン(ファミリーネームの読み方分からず)のベースがギュインギュイン、サンデルも鍵盤じゃないどこかを激しく叩く。それがいつの間にか形になりドッカーン、とは行かず、まずは叙情的(でも、すっごいクール)な展開。聴かせてくれる。やがてサンデルのピアノが妖気や狂気を帯び始める。それにつれてベース、ドラムも変幻。そしてそして、ついに怒涛の後半へ雪崩打ってゆく。何なのだろう、この音圧は。鋼鉄の炎(意味不明)とでも言えばよいか。ただただ素晴らしい。なんてダイナミックでドラマチックな音楽なのだろう。