あうとわ~ど・ばうんど

coup de tete

久々にKip Hanrahanの「coup de tete」を聴いた。名盤である。なんてカッコイイ音楽なのだろう。1979年から81年の録音というが、今の音楽だといっても充分通用する強度を持っている(ちなみに、最近の録音なのに昔の音楽、みたいな作品が、ジャズ界にはなんと多いことか)。
全9曲45分。1曲目は「Whatever I Want」。キップのぼやいてるようなボーカルがいい味を出している。テナーはチコ・フリーマンではないか、うーん、歌謡曲みたいだ。アート・リンゼー(大半の曲に参加)のギターもビル・ラズウェルのベースもヘン(=面白い)。コンガはジェリー・ゴンザレス(この人も大半に参加)、ドラムはアントン・フィアー(同)。メンバーを書いてるだけで目眩がしてくる。音を聴くと、本当に頭クラクラ。
2曲目「At the Moment of the Serve」、おおジャマラディーン・タクマのベースがスゴイ。アルトはなんとなんとカルロス・ワードではないか。チコ・フリーマンが絡む。二人とも大好きなサックスだったのだが、今はどこで何をしているのだろう。
3曲目「This Night Comes Out of Both of Us」で女性ボーカル登場。ちなみに、自分は外国語で何が歌われようとあまり興味がないので普段は歌詞カードを見ないのだが、今回初めて読んでみて(この曲だけじゃなくて、他の曲も)、あまりに面白くて笑ってしまいました。
4曲目は「India Song」。ピアノはカーラ・ブレイ。ボーカルも披露。申し訳ないけど、男だと思ってしまいました。マルグリット・デュラスの映画で使われた曲だそうで、ハードボイルドな哀感たっぷり。
5曲目「A Lover Divides Time(To Hear How It Sounds」、リンゼーが素晴らしい。6曲目「No One Gets to Transcend Anything(No One Except Oil Company Exwctives)」(長いなぁ)、バーン・ニックスが加わっているぞ。ジョン・スタブルフィールドのサックスが、まるで「りんご追分」(笑)
7曲目「Shadow to Shadow」。フレッド・フリス登場。8曲目「sketch from Two Cubas」、うーんカッコイイ。マイケル・マントラーのトランペットもしびれる。最終曲「Heart on My Sleeve」はテオ・マセロの曲。本人も参加。一番最後に吹いてるのがそうだろうか?チコも参加。デイヴ・リーブマンもソプラノで。もちろんカルロス・ワードもいます。ドラムはヴィクター・ルイスで、ベースはセシル・マクビー
キップの音楽には一時期どっぷりハマッて、イーストワークスから出てたAmerican Claveの国内盤を買いそろえた(ピアソラやエディ・パルミエリ(これは他のレーベル)にも手を出した)が、もう3年ぐらい?新作が出ていない(はず)。一体いつまで待つのだろうか?