あうとわ~ど・ばうんど

My First Jazz

初めて聴いたジャズについて。
もちろん、これは初めて耳にしたジャズではなく(そんなの分からない。日本人は子供のころから世界中のいろいろな音楽を耳にする機会があるから。初めてでなくても例えば、幼少のころ「トムとジェリー」(といっても、植木等がナレーションを担当した「ニュー・トムとジェリー」じゃなくて、なっかっよっくっけんかしなっ、てやつね)の3部構成の2番目の話でドルーピー(好きだったなあドルーピー、最近見ないけれど元気なのかしら)がノミのオーケストラを飼っている話があって(しかもすっげえ迫害されてさ最後は認められるんだけど。ほかにもノミのさえない楽団員とバンドの花形歌手とのドラマチックな恋愛があったりしてさ、けっこう好きな話だった)、そのオーケストラが演奏するのはディキシーだった。はず。でも、これが初めて聴いたジャズではあるまい)、初めてお金を出して能動的に聴いたジャズという意味だが、先月のことすら忘れているのにそんなこと覚えているのかといわれれば、確かになぜジャズを聴こうと思ったのかはすっかり忘れてしまったのだが、意外にも、初めて買ったアルバムのことだけはちゃんと覚えていた。

前置きが長くなってしまったが、それはなんと、というほどのことでもないが、Miles Davisの「TUTU」なのだった。確か、高校1年か2年のころ。しかもカセットだったのが笑える(家族は音楽にあんまり関心がなかったなあ。家にはラジカセだけでレコードプレーヤーがなかった)。何も知らないというのは恐ろしいもので、当時の自分は、へーこれがジャズか、などと思ったのだった。今現在では標題曲の「TUTU」以外はとりたててアルバムの印象を思い出せないが、何かを感じたのだろう、続けて「Amandla」を買った。実は、これにはまった。冒頭の「Catembe」2曲目の「Cobra」最終曲の「Mr. Pastorius」などが好きだったが、中でも4曲目「Hannibal」にハマリまくった。

その後、Columbia時代前半のベスト盤(考えてみるとよくできていた。収録されていたのがRound Midnight、Summertime、Concierto de Aranjuez、Milestones、So What、Someday My Prince Will Come、E.S.P.、Sorcerer、Nefertitiだった。ジャズ初心者には打ってつけだと思う。今でもあるのだろうか?)でアコースティックにも開眼。Prestige時代のコンピレーション・バラード集なんてのも買ったはず。と、ここまでがカセットで、お年玉でCDラジカセを買ってから、さまざまなCDを聴くようになる。Sonny RollinsJackie McleanChick CoreaやMJQ(ひえ〜)など今の自分からはちょっと想像もつかないようなものを聴いてたはず。そして、Eric Dolphyに出会うことになるのだが、それはまた別の機会に。