あうとわ~ど・ばうんど

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梅津和時 × グラント・カルヴィン・ウェストン / Face Off

梅津和時さんの新譜を聴く。

Face Off

Face Off

梅津和時(as, ss, bcl) Grant Calvin Weston(ds)


われらが梅津さんと、オーネット・コールマン・プライム・タイムのドラマーだったカルヴィン・ウェストンによる「フリーインプロデュオ」アルバム。とのことだが、あまりインプロっぽい薫りはしない。ウェストンの叩き出す強靭なリズムに乗って、梅津さんがアルト、ソプラノ、バスクラを駆使して気持ちよさそうに「うた」っている感じだ。ちなみに、この「うた」には当然、いつもの疾走感たっぷりに一気にフレーズを吹ききったりユーモラスな音を発してみたり吼えたり金切声のような超高音を発したりマウスピースで遊んだり2本吹きしたり文字通り声を出して歌ってみたり・・というようなことを全て含んでいて、その梅津さんの魅力がぎゅぅっと詰まった演奏には「ザッツ・ウメヅ!」と叫びたくなってしまう。そういえば梅津さんが外タレと共演すると、マル・ウォルドロンとは「ラウンド・ミッドナイト」(アナザー・ステップ)、バーナード・バーディーとは「チキン」(ファットバック!)、ドクター・ロニー・スミスとは「マイルストーンズ」「サテン・ドール」(ライヴ・ジャム)といった具合に、スタンダードの類いを演奏することが多い(知識が古いままだなぁ)わけだが、本作でも最終曲だけインプロでなくオーネットの「ロンリー・ウーマン」が披露されていて、この曲は坂田明さんも最近よく取り上げて情念たっぷりの吹きっぷりが素晴らしけれど、ここでの梅津さんのアルトサックスはまた違った魅力があって、テーマメロディーが終わった後は天衣無縫に羽ばたくオーネットを念頭に、梅津さん解釈による捧げ物というイメージだろうか。途中で挟まれるオーネットの別曲メロディーもご愛嬌。とにかく全体にかなり楽しませてくれる作品である。