The Carla Bley Band - European Tour 1977
「ビッグバンドの聖典 - UNIVERSAL MUSIC JAPAN」再発シリーズより。
- アーティスト: The Carla Bley Band,エルトン・ディーン,ゲイリー・ウインド,ジョン・クラーク,ボブ・スチュワート,マイケル・マントラー,ラズウェル・ラッド,カーラ・ブレイ
- 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
- 発売日: 2015/05/20
- メディア: CD
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お恥ずかしながら初聴でござる(どこかで酔っ払ったときに耳にしていた可能性はある)。
カーラ・ブレイを初めて聴いたのは20年ぐらい前、渋谷毅オーケストラの原典を求め、当時新譜だったスティーヴ・スワローとのデュオだった。たしかに渋オケでお馴染みのメロディーたちが心地よかったのだけれど、ビッグバンド作品ではなかった。
その後、ビッグバンドも聴いてみようと手を出したのが、名盤本に必ずといって良いほど載っていて国内盤再発も多かった「ライヴ!(艶奏会)」だったのだが、妙に力強すぎるというか、変にコンテンポラリージャズっぽすぎるというか、そういう点ばかりが耳について、全く気に入らなかったのである(まあ、そもそも当時の私はビッグバンド不感症であった)。
それで、カーラのビッグバンドの魅力に気づくことなく、長らくほとんど聴くことは無かった(ただし、一枚だけ例外がある。大好きなアルトサックス奏者のカルロス・ワードが参加して、名曲「Útviklingssang」の初出(と思われる)「Social Studies」だけはよく聴いていた)が、今回の再発を前に、吉田隆一さんとリルコさんがTwitterで共に「一番好きなアルバム」と語り合っていた(こちら)のを見て、これは聴いておかなければと思い、購入した次第。
おおおお。たしかに素晴らしい。メロディーの陰影、ハーモニーそのものの持つ官能性、メンバーも皆なすべきことを分かっていてその上で存分に個性を発揮する。いやーこれを最初に聴いておけばよかった(というのは、よくあること)。あれとか、これとか、そのまま渋オケの源流の一つになっているわけだな、と納得。4曲目の「星条旗よ永遠なれ」のマイナーアレンジ(どことなく、銭形マーチに似てる気がする)や、ごった煮感も面白い。しかし、これ、日本で言えば、国歌や軍歌で遊んでいるわけで、アメリカはこういったあたりが健全というか、懐が深いと感心する。
これはたしかに聖典(名盤)。「ライヴ!」も、もう一度聴き(買い)直そうかな。
参考