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Russ Johnson - Still Out To Lunch!

エリック・ドルフィー没後(「Out to Lunch」録音)50周年の昨年、こんなアルバムが出てたことに気づいてなかった。


Still Out to Lunch

Still Out to Lunch

Russ Johnson(tp) Roy Nathanson(as, ss) Myra Melford(p) Brad Jones(b) George Schuller(ds)


米国のトランペッターによるトリビュート作品で、ドルフィー役は Jazz Passengers への参加で知られるロイ・ナサンソン。収録曲は「Out To Lunch!」全5曲プラス、ドルフィーにゆかりのある3曲なのだが、その選曲が何とも超マニアックで、晩年にドルフィーが構想していたという『Love Suite』の一番目の曲「Intake」、ドルフィーと共作経験のあるガンサー・シュラー(ドラムのジョージ・シュラーは彼の息子である)の『パウル・クレーの主題による7つの習作』から「Little Blue Devil」、1962年にタウンホールコンサートで共演した詩人リー・ドラゴネットの朗読からインスパイアされたという「Song For The Ram's Horn」というもの。3曲ともオリジナルを聴いたことがないのでよく分からないが、アルバム全体のムードにはハマっている。

「Out To Lunch!」全5曲は、テーマリフに関しては原典にほぼ忠実といっていいだろう。ただし、「Aut To Lunch!」でのPBBと違って、ナサンソンは全曲サックスで押し切るので、原曲を思い浮かべながら聴くと若干の違和感はあるのだが、まあ気にするほどのことはない。テーマ以外の部分は、現代的解釈とでもいうか、マイラ・メルフォードのピアノを中心にフリー成分が高めである。ナサンソンのアルトは、もちろんドルフィーとスタイルが違うのだけけれど、飛翔的フレーズにドルフィーを想起させる瞬間は確実にある。全体として、素材に使用しただけとは違うリスペクトをひしひしと感じさせる好盤という印象だ。


参考動画(探れば全9編ぐらいあります)