あうとわ~ど・ばうんど

Aut To Lunch!

ダウンロードオンリーながら、見逃せない内容のアルバム。


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Aut To Lunch!
Aut Records, 2015)
Piero Bittolo Bon(as, bcl, fl) Alfonso Santimone(p, rhodes) Danilo Gallo(b) Gioele Pagliaccia(ds, per, banjo) + Tony Cattano(tb) Pasquale Innarella(ss)


PBBがエリック・ドルフィー役を務めた、「アウト・トゥ・ランチ」トリビュート作品。

収録は8曲で、「アウト・トゥ・ランチ」全5曲以外には、「GW」「Serene」「Out There」とおなじみのナンバーで構成されている。PBBは原典通り、アルトサックス・バスクラリネット・フルートを駆使する。アルトサックスは、音色の系統的にはオリヴァー・レイクのドルフィー・トリビュート作に近いが、バスクラの響きやフルートのアタックの強い吹き方には、ドルフィー・リスペクタブルなエモーションを感じ取れる。

PBB以外のメンバーは、ベースが彼の「Jümp The Shark」に参加している人だというぐらいで、他は全く知らない人たち。「アウト・トゥ・ランチ」には本来入っていないはずのピアノやソプラノサックスも参加して、曲によってはフェンダーローズが入るなど現代的アレンジも施されているが、トータルとしてみれば、しっかりとドルフィー曲の世界観を再現・再構築しているといえる。

これは、高瀬アキとアレクサンダー・シュリッペンバッハのトリビュートアルバム「So Long, Eric!」でも感じたことだけれど(昨年11月23日参照)、どんなアレンジが施されようとドルフィーのオリジナル曲は非常に強固なのだなあ、と再認識してうれしくなるのだった。


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