あうとわ~ど・ばうんど

富樫雅彦 + 高柳昌行 - デュオ・ライブ 1984

ヴァンダーマークとニルセンラヴが来日中だが、私は氷点下の世界で年末の追い込み中である。やれやれ。(と嘆いていても、状況が変わるわけでないのだが)


デュオ・ライブ1984

デュオ・ライブ1984

富樫雅彦(per) 高柳昌行(g)


先月下旬にアイラーとキースのCDを買ったとき、このアルバムのことも目に留めてはいたのだが、価格(2,500円)と収録時間(35分)を眺めて、なんとなくパスしてしまっていたのだった。が、添野知生さんのツイートを見て考えを改め、ようやく入手した次第。

なるほど、たしかにこれは聴きやすく、荘厳さからは遠いものの、ジャケットにあしらわれた青空に広がる雲(いわゆる何雲と呼ぶのか知らないけれど)のごとく、晴れやかな中で気ままにその形を変えていく趣きである。

とはいえ、比喩としてはそうなのだが、雲も気ままに見えて緻密で複雑な物理法則に則って動いているにすぎず、ここで展開される音楽もまた、厳密で知的な「対話」に裏打ちされているのもよく分かり、そのあたりがまたグッと来るのだ。