あうとわ~ど・ばうんど

Last Exit

今日聴いた1枚の中に、最近再発された「Last Exit/The Noise of Trouble(Live in Tokyo)」があった。おそらく、大学1年か2年のころ、部室にあったものを1、2回聴いて以来、12、3年ぶり。でも、当時は気に入らなかった。自分はそのころまだエレクトリック物が苦手で、ペーター・ブロッツマンもあまり好きでなかったから。でも今回、久しぶりに聴いてみて、悪くないと思った。なんというか、実に“ポップ”なのである。これなら読書時のBGM用音楽にもなりそうだ(と思う)。
全8曲40分。Sonny Sharrock(g)Peter Brotzmann(sax)Bill Laswell(b)Shannon Jackson(ds,voice)、ゲストが坂田明(as)Herbie Hancock(p)(ちなみに坂田明とハンコックは共演していない)。やはり今年再発された「Koln」(輸入盤)と同じ86年の録音。録音エンジニアはセイゲン・オノだ(余談だが、セイゲン・オノの音楽家としての側面はもっとスポットが当たって然るべきだと思う。竹内直のバスクラを全面的にフィーチャーした「I Probably Will Not Remember You」、あるいはJohn ZornやJoey BaronやMarc Ribotらを起用した「Maria and Maria」、江波杏子の朗読をフィーチャーした『Anchovy Pasta』が絶品の「Seigen Ono Ensemble at the Blue Note Tokyo」などなど、よいアルバムが多い)。
さて、今回聴いて発見したこと。6曲目「Needles Balls」、曲の大半は坂田明とブロッツマンのインプロ・デュオ。その二人のフレーズ(?)が、よく似ている。まるで、声質の違う双子の兄弟が、しゃべってみたら語り口が一緒だった、みたいな。