あうとわ~ど・ばうんど

Subtle Degrees / A Dance That Empties

皆がセシル・テイラーを偲んでいる夜に申し訳ないが、新譜を聴いている。

A Dance That Empties

A Dance That Empties

Travis Laplante (ts) Gerald Cleaver (ds)


ピーター・エヴァンスとのデュオ『Secret Meeting』(16年2月21日)や、無伴奏ソロ作品『Travis Laplante: Heart Protector』(11年12月21日)、あるいはダリウス・ジョーンズらとの狂暴カルテット「Little Women」、もしくはサックス四重奏グループ「Battle Trance」などで極めて印象に残るテナーサックス奏者のトラヴィス・ラプランテと、現代最高のドラマーの一人であるジェラルド・クリーヴァーによるデュオグループ。柔らかさと鋭さと豊かな倍音が同居したラプランテのテナーと、剛柔流ともいうべきクリーヴァーのドラムは相性抜群で、某ショップの煽りにあるような対決色より協調色が強い。聴きどころは何と言っても、いつも手垢のついた表現で恐縮だが、延々と繰り出されるラプランテのきりもみ奏法というか、クリーヴァーも含めて高速で万華鏡が回転するような煌びやかなサウンドである。いやあこれはいいなあ。


参考動画および試聴