小埜涼子/ウンディーネ
今や多くの人々が絶賛しているし、私のブログが何か新しい言説を付け足せるわけでもないのだが、しかしやはり触れておかなければなるまい。
- アーティスト: 小埜涼子
- 出版社/メーカー: doubtmusic
- 発売日: 2012/05/31
- メディア: CD
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今年上半期のベストというぐらいよく聴いた。
冒頭にこれを持ってくるか!?という、ホースを使ったダブ演奏。マルチフォニックやサーキュレーションを用いたハイテク・ソロ・インプロの数々。多重録音を駆使した多彩なサウンド・・・情緒を排したどこかクラシカルなバラードだったり、スティーヴ・ライヒ「ピアノ・フェイズ」だったり、EL&P「タルカス」1.5倍速だったり。チャーリー・パーカー・フレイズのコラージュとヴォーカル・・・・
「変態音楽」と書くと簡単だが、それは手法の問題であって、聴こえてくる音楽たちは全く変態的でなくシリアスだ。アルトの音色もどこまでも鋭利で、かつ非常に艶かしい。全13曲による、精緻に配置・構築された作品集の趣き。全アルト吹き、いや全サックス吹き、いやいや面白い音楽好きは全員聴くべし、の名盤でしょう。