あうとわ~ど・ばうんど


今日は、北海道が全国で一番暑かったらしい。そんな日に、先日ようやく届いたこのCDを、日がな一日聴いていた。
/吉田隆一 + 石田幹雄」(sincerely music)。8曲50分。
2月(23日参照)に初めて吉田さんにお会いした時に(デモCDを)聴いているが、こうして製品になったものを聴くと新鮮な気持ちで聴けて、しかもああやはりいいアルバムだ、と思える。ホールでの録音で、音が深い空間にしみとおってゆくのがよく分かる。石田のうなり声・足ぶみ・吉田さんの息遣い・操作音なども身近に感じられ、ステージの一隅で生音で聴いているような気分。演奏もまた、疾風に巻き込まれ優しさに包まれ身を委ねているうちいつしか不可思議な夢感覚に見舞われ(暑さで朦朧としたわけでないぞ)、これは Sincerely Music の作品に通底する音世界で、ああなるほどなあ、という気味である。
石田にとっても、彼の普段着の姿を初めてとらえた、エポックなアルバムだろう。
私、個人的にも、吉田さんと邂逅し飲み語りながら聴いたCD、であると同時に、実はほんの少しだけライナーノートに協力した、そんな思い出深いアルバムでもあるのだが、そんな思い出などなくても、聴いての通りの傑作なのである。