あうとわ~ど・ばうんど

幻想ノート

幻想ノート
幻想ノート/沖至」(doubtmusic / off beat)。75年、6曲45分。沖至(tp) 藤川義明(as) 翠川敬基(cello, b, p) 田中保積(ds, per) 吉増剛造(poetry)
ダウトミュージックからの復刻盤(初CD化?)。正式発売日は19日だが、レーベル直販部に注文すれば、すぐに発送してくれます。
いまや『プスッ』の一音だけで強烈な個性を放ってしまうほどに仙人然と化してしまった沖至の、70年代、3作目にあたるという本作は、初めて聴いた。実験的色彩はほとんどなく、フリーではあるものの、なんとも真っ当に燃え上がるようなジャズ。冒頭曲「黒い鉄ねこ面」は、意外にも(?)60年代マイルスクインテット的なモーダルな演奏で、沖至が伸び伸びバリバリ吹きまくっており、驚く(フリー化しかけた所でフェイドアウト)。4曲目、トランペット独奏「ほほえむ南里さん」は、同時代の日野皓正のソロに劣らぬコクで胸に迫る。世評高い(らしい)5曲目「古代天文台」も面白い。