あうとわ~ど・ばうんど

Tomorrow Came Today

アメリカの歴史的な一日の映像を見ていたらなんだかぐっと来るものがあったが(それは、この国でも『CHANGE』の訪れる日が来るだろうかと考えると難しいと感じてしまう気分と表裏一体なのだろうが)、オバマの本拠地がシカゴだというところに象徴的なものを感じた。
シカゴという街には昔から豊饒な黒人ジャズが根付いており、地元の黒人ミュージシャンたちに加え、例えばケン・ヴァンダーマークのような白人ミュージシャンたちやペーター・ブロッツマンのようなドイツ人、ポール・ニルセンラヴのようなノルウェー人、マツ・グスタフソンのようなスウェーデン人らを結びつけている土地、というイメージがあるからかもしれない。
で、そんなシカゴ人脈から派生したとおぼしき作品を、ようやく入手した。
Tomorrow Came Today/Joe McPhee, Paal Nilssen-Love」(smalltown superjazzz)。8曲45分。Joe McPhee(ts,pocket-tp) Paal Nilssen-Love(ds)
ニルセンラヴが勢いある白人サックスたちと共演したデュオアルバムと比べると、ベテラン黒人サックスとのこの作品はいっけん地味なのだが、どこかユーモラスな響きを織り込んだ演奏もあったりして、飽きさせないコクもある。
『明日が今日来た』というタイトルは成句なのかジョークなのかは分からないが、『明日』を『未来』と読み替えるなら、今日みたいな日に聴くとまた味わい深いかもしれない。