あうとわ~ど・ばうんど

Spiritual Unity

昨日取り上げたドルフィーのような、異形的なジャズに常に惹かれてしまう。異形性のみならず、決してどんなコンテクストにも回収されず、未来に開かれている音楽。聴いた後に湧き上がる名づけようのない不安定な感情。そしてそれはいつまでも解決されず胸にとどまり続ける。そのような音楽に、どうしても心を奪われてしまう。
そういえば、昨年末に読んだ高柳昌行の「汎音楽論集」に、こんな文章があった。

よく、クリスチャンが生きてたら、パーカーが生きてたら、って言うじゃない。そういう意味では、俺はアイラーこそ生きててほしかったね。エリック・ドルフィーも同様だ。なぜかといえば、この二人の先はあの時点では、まだ見えてないから。
   (「アルバート・アイラーこそ革新者だ。コルトレーンなんて歌謡曲なんだ。」より)

そう。アイラーもだ。



Spiritual Unity
久々に「Spiritual UnityAlbert Ayler Trio」(ESP-disk)を聴く。64年、全4曲29分。Ayler(ts)Gary Peacock(b)Sunny Merray(ds)。
素晴らしい。聴くたびに常に新鮮な感動があり、得体の知れない元気をもらう。そしていつも、いにしえの賢人(?)が発した金言を思い浮かべてしまう。


『これでいいのだ』