あうとわ~ど・ばうんど

Bad Mouth

アメリカン・クラーヴェから久々に出た新作の、残る1枚がようやく届いた(21日参照)。「Bad Mouth/Conjure」(american Clave)。05年、2枚組み全12曲92分。Alvin Youngblood Hart(vo,g)Fernando Saunders(vo,b)Leo Nocentelli(g)Anthony Cox(b)Horacio El Negro Hernandez(trap-ds)Robby Ameen(trap-ds)Yosvanni Terry(as,checkere,vo)Pedro Martinez(vo,conga,per)Richie Flores(conga)Ishmael Reed(vo)Billy Bang(vln)David Murray(ts)Dafnis Prieto(trap-ds)Kip Hanrahan(director,vo)。
アフロ=アメリカンの作家イシュメル・リードの詩や小説に音楽をつける、キップ・ハンラハンとイシュメルのプロジェクト、第3弾。リリース予定が告知されてから相当に長い年月が経っていただけに、喜びもひとしおである(勝手な想像だが、「延期」にはドン・プーレンの死や9・11も影響しているのかも)。前2作ではブルースやプレモダンジャズ色が強かったが、今作ではロックやフュージョンへの接近が顕著。前2作のような仄暗い陰翳は少ないが、実に楽しい仕上がりになっている。
なんといっても両サックスが凄まじい。こんな頼もしいデヴィッド・マレイを聴くのは、どのぐらいぶりだろう(ところで、驚くことに全3作皆勤賞は、キップを除くとマレイだけ)。ヨスバニーのアルトもカッコよすぎ。お気に入りは1-①「Mo Ku Lana,Mo Jinde Loni」とタイトル曲1-⑥。前者ではヨスバニーの速射砲フレーズが炸裂、後者はロック乗りで突っ込むギターに続いてマレイが暴発する。他のメンバーも、ヘヴィー・リズムの上でギター、ベース、ヴァイオリンが突貫攻撃。実にカラフルな演奏を繰り広げる。クセになります。