あうとわ~ど・ばうんど

Tango: Zero Hour

たまには、ジャズ以外の作品に登場願おう。とはいえ、あまりの歴史的名盤ゆえ、いささか恥ずかしいのだが、Astor Piazzollaの「Tango: Zero Hour」だ。Piazzolla(bandoneon)Fernando Suarez Paz(vln)Pablo Ziegler(p)Horacio Malvicino Sr.(g)Hector Console(b)。Kip Hanrahanプロデュース3部作の1作目。
タンゴのことはよく分からないけれど、何がスゴイって、ピアソラがガンガンSWINGしている。バンドネオン一音だけで、物凄いSWING感である。ピアソラのコンサートを見たギル・エヴァンスが「20年ぶりにすごい演奏を聴いた。忘れるのに20年かかる」と大興奮したというのも容易に肯ける。即興の上に胡座をかいている凡百のジャズミュージシャンが束になって掛かっても絶対に敵わない、とてつもなく強固なSWING感である。全7曲の構成やキップの編集、録音も完璧。