あうとわ~ど・ばうんど

Chichipio

佐藤允彦」と一緒に先日届いた「Chichipio/Buenos Aires Sesssion Vol.#1」を聴く。Mono Fontana(syn)Fernando Kabusacki(g)Alejandro Franov(key,sitar,accordion,etc)Santiago Vazquez(per)山本精一(g)勝井祐二(vln)。全7曲67分。
昨年、カブサッキが来日した際、山本と勝井のほか鬼怒無月芳垣安洋らとの共演を「KIRIE/カブサッキ東京セッション」としてリリース。逆に今年、山本と勝井がアルゼンチンに出向き作ったのが今作。
ヴァスケスの繰り出すしなやかなリズムの上を、各人の楽器が誰一人突出するわけでなく対等に音響的彩りを添えていく。盛り上がりはするものの、一つの方向には収斂されず、自然発生的にまた別のサウンドが立ち上がる。イキソーでなかなかイカナイ。というような構成の曲が多い。ミニマルなグルーヴミュージックというか、終わることを目的としないセッションというか、どの曲がどうのこうのとは、あまり言えない。
というと、まるでけなしているみたいだが、サウンド的には実は好きな感じなのである。ただ、起伏があまりに緩やかなので、個人的には、鑑賞そのものを主目的にするリスニングには向かないかなあ。という印象。冬の曇り空のけだるい昼下がりのBGMには最適かも。