ショロー CLUB / from 1959
ようやく聴く。
- アーティスト: ショローCLUB
- 出版社/メーカー: 地底レコード
- 発売日: 2017/06/04
- メディア: CD
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いずれも1959年生まれというトリオに、1958年生まれの山本精一さんがゲストに加わっている。しかし、芳垣さん大友さん不破さんの3人が同い年(学年は違うひともいるようだが)というのは驚いたなあ、見た目はどうしたって……。ちなみに4人とも渋さ知らズのメンバーでもある(一度参加すると以後永久にメンバーだそうだが、大友さんが参加していたのはナツメグからデビュー盤を出す以前、90年ごろというからかなり古参だ)。このメンバーで、演奏曲に「ロンリー・ウーマン」「ラジオのように」「ファースト・ソング」「ひこうき」があるということは一定のカタルシスは約束されたも同然で、事実、期待を裏切らない。ちなみに「ロンリー・ウーマン」には山本精一さんも加わっているけれど、これって珍しいんじゃないかなあ、よく知らないが。田中啓文さんがこのアルバムについて『グルーヴしていて、なおかつ悲愴』と書いているのは確かにその通りで、しかしそれはこの周辺のミュージシャンたちの音楽に共通した美質でもある。
Evan Parker, Noël Akchoté, Paul Rogers, Mark Sanders - Somewhere Bi-Lingual
ノエル・アクショテのアーカイヴにはこんな音源も転がっている。(Amazon では何年か前から売ってるので、画像はこちらを紹介)
- アーティスト: Evan Parker, Paul Rogers, Mark Sanders Noël Akchoté
- 出版社/メーカー: Noël Akchoté / Evan Parker / Paul Rogers / Mark Sanders
- 発売日: 2011/07/21
- メディア: MP3 ダウンロード
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こちらも先日のスクラヴィスとティム・バーンの音源と同じ95年のライブ。ちなみにアクショテとエヴァンの共演盤は、多くはないものの珍しいわけでもない。作品はカルテット、トリオ、デュオ、ソロの各演奏が披露され、ソロにはエヴァンのアレ(ただし短い)も含まれるが、アクショテのソロはない。アクショテと英国フリー勢(とくにエヴァン)との相性は意外とよくて、エヴァンのとくにテナーとアクショテの暴れっぷりが気持ち良い。
Louis Sclavis / Tim Berne / Noël Akchoté - Saalfelden '95
Noël Akchoté の膨大な bandcamp アーカイブの中に、こんな音源が転がっていた。
Louis Sclavis / Tim Berne / Noël Akchoté - Saalfelden '95
Louis Sclavis(cl, bcl) Tim Berne(as, bs) Noël Akchoté(elg)
オーストリアのザールフェルデン国際ジャズフェスティバルにおける22年前の演奏。今やともに ECM を代表するリード奏者となったティムとスクラヴィスだが、ふたりは1歳違いの同年代で、当時ともに40代前半。ふたりとも今でももちろん素晴らしいけれど、やはり20年という時間は長い。ここでは脂の乗り切った、非常に勢いあるアグレッシブなプレイを展開していて、懐かしさで補正せずとも、とても胸が熱くなる。20代の若手だったアクショテも好サポートだろう。
ちなみにこの音源、最低価格無しなので、タダでも聴けます(わたしはさすがに値を付けたけど)。
Craig Taboron | Ikue Mori - Highsmith
ようやく聴けた。
- アーティスト: Craig Taborn,Ikue Mori
- 出版社/メーカー: Tzadik
- 発売日: 2017/05/19
- メディア: CD
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最近のクレイグ・テイボーン参加作はバラエティに富み、しかもどれも面白いから困ってしまう。というのは当然言葉のアヤで、別に困ってなどいないのは言うまでもない。本作はイクエ・モリのエレクトロニクスとのインプロデュオで、マッツとのデュオアルバム「Ljubljana」がそうであったように、インプロといえどテイボーンのピアノはとても趣が深く、対するエレクトロニクスも煌びやかで、互いの音が調和的でありつつ不協和的であるような、互いに装飾音であり緊張音であるようなコンビネーションが見事。
Jason Moran - BANGS
北澤さんのツイートを見て仰天、これはノーマークだった。デジタルで20ドル(以上)とやや高額だが、迷わず注文。
Jason Moran - BANGS
(Yes Records, 2017)
Jason Moran(p) Mary Halvorson(g) Ron Miles(cor)
ジャケットには「REWIND」としか記されてないが、タイトルは本当にこれでいいのか?という疑問は置くとして。一昨年の8月、ベルギーはアントワープのジャズ祭にジェイソン・モラン、メアリー・ハルヴァーソン、ロン・マイルズのトリオが出演した、という情報に接したとき、まあなんと不思議なメンバーだろう、と思ったものだったが、Mary Halvorson Sessionography によれば、なんと今を遡ること10年前の2007年、 NY の The Stone のレジデンシーがこのトリオの初披露で、その後2010年の NY のジャズ祭でも共演していたと知って驚いた(ちなみにメアリーとモランの共演は、トリオ以外にも数度あるもよう)。アントワープの映像は末尾にプレイヤーを貼り付けるがこちらで観られる(メアリーの左肩に見惚れてしまう←馬鹿)。これはアルバム化されないものだろうかと思っていただけに、うれしいサプライズである。しかしライブの音源化でなく、スタジオであらためてレコーディング(bandcamp のクレジットは2017年になっているが、おそらく昨年だろう)されたものだった。
ジェイソン・モランは、現ブルーノート・レーベルにおける一連のリーダー作や参加作、チャールズ・ロイド・カルテットでの重用で、一般的には現代ジャズの泰斗と認知されているだろうが、いっけんはオーソドックスに見えてストライドからフリージャズまで自在に弾きこなした師匠ジャッキー・バイアードの衣鉢を継いでいるということなのか、共演者が主流派からフリー系まで幅広く、RCA 時代のスティーヴ・コールマン・ファイヴ・エレメンツに参加してたり(「Sonic Language of Myth」そういえばこのアルバムではヴィジェイ・アイヤーと席を分け合っている)、2000年前後のグレッグ・オズビー・グループのレギュラーだったり、エリック・レヴィスの「11:11」でヴァンダーマークと共演したり(「Parallax」)、オリヴァー・レイクらの Trio 3 にゲストとして迎えられたり(「Refraction - Breakin' Glass」)、ファッツ・ウォーラーをテーマにしたリーダー作でスティーヴ・リーマンをメンバーに迎えたり(「All Rise: a Joyful Elegy for F」)、ヘンリー・スレッギルの最新作に迎えられたり(「Old Locks & Irregular」)、スガダイローさんと日本ツアーを行ったり(「BOYCOTT RHYTHM MACHINE WORLDWIDE VERSUS I [DVD]」)している。
本作の全10曲はおそらく彼の作曲と思うが、フリーな展開もありながら全体的には抒情性が前面に出ている。メアリーも『らしさ』は随所に見せつつ、どこか『よそいき』な感じはするけれど、そういうふだんとは違った表情にまたしても惚れ直してしまう(←馬鹿)。音楽のムードには、ビル・フリゼールとの共演が多い燻し銀トランぺッター、ロン・マイルズの存在も大きいに違いなくて、姓と名の違いはあるけれど同じ名前の先人の Prestige 時代のバラード表現なんかも時折思い出す。そして、意外とよく耳にしているくせにちゃんと聴いてこなかったせいで知性的なピアノを弾く人ぐらいの印象しかなく、個性もよく分からないと思っていたモランの魅力(の一端)にもようやく気付けたのだった。めでたしめでたし。
参考動画(15年8月のライブ。うまく表示・再生されない場合、上のリンクから該当ページに移動してください)
Andrew D'Angelo Trio - NORMAN
3年前にLPのみリリースされていた音源が、デジタルでも発売された。
Andrew D'Angelo Trio - NORMAN(2014)
Andrew D'Angelo(as, bcl) Jim Black(ds) Trevor Dunn(b)
アンドルー・ディアンジェロの熱血アルトが大好きだ。全身の細胞から酸素が足りなくなるんじゃないかと思わせるほど、これでもかと全力で管に息を吹き込むようなプレイスタイルに、いつも胸を掴まれる。こんな演奏をしていれば、そりゃ死線を彷徨うような病気になってしまっても不思議ではないと思わせるのだが、生還後はよりスケールの大きくなったプレイを聴かせてくれるようになった(と「聴いたら危険! ジャズ入門 (アスキー新書)」にも書いた)。本作や The Bureau of Atomic Tourism 以降、新作のリリースがパタッと止まったようにも感じるが、また旺盛な活動を期待したい。DNA オーケストラのアルバムデビューも待ってます。
Theo Bleckmann - Elegy
- アーティスト: Theo Bleckmann
- 出版社/メーカー: Ecm Records
- 発売日: 2017/01/27
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テオ・ブレックマンの音楽というのは、どの作品どの曲を聴いてもいつも大同小異というか、煎じ詰めればどれも概ね同じように聴こえる。それは ECM 初作品となった本作でも同じことで、どの曲も彼の過去作品で聴いたことがあるような気がするぐらいだ。にもかかわらず、彼のうた、というより、彼の声(による表現)に、いつも惹かれてしまう。「好き」というのとは違う。妙に、琴線に引っかかるのだ。一体どういう原理が働いてるんだか、われながら全く不思議でならない。
ティザー
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