あうとわ~ど・ばうんど

オーネット・コールマン / 即興詩人の芸術

新譜以外にも廉価盤をちょくちょく買っている。で、先日(9日)に83歳になったというオーネット・コールマンの初CD化盤(未聴)を入手してみた。

Ornette Coleman(as, ts) Don Cerry(cor, tp, pocket-tp) Charlie Haden(b) Scott La Faro(b) Jimmy Garrison(b) Billy Higgins(ds) Ed Blackwell(ds)
70年に発売された、アトランティック時代(59〜61年)の拾遺集という。
2曲目「Just For You」の美しさにもしびれたが、6曲目「ビ・バップの伝説」が面白い。これ、おそらくはオーネットが考えるビバップ的な演奏ということなのだろうけど、たしかにビバップを感じさせなくもないが、ビバップのパロディーというか搾りかすみたいなもので、音使いにしろリズムにしろ明らかにオカシイ。そしてなんといっても興味深いのは、アドリブに音色が合っていない感じがする。(ちなみにもう一つ、ジャズをやったことのある人は分かってもらえると思うが、この曲、とても心地悪いテンポで演奏されてる!)
ここから推察するに、オーネットのフリージャズは、コード進行からのフリー(だけ)でなく、パーカーが開発しメソッド化されたバップ的クリシェからのフリーであり、ハードバップやファンキージャズが獲得してきたバップ的リズム感からのフリーであり、さらにバップ的音色からのフリーであったのではあるまいか。だからこそ、主に同胞の黒人ミュージシャン側から大きな反発を受けたのだと思うがどうだろうか。