Potsa Lotsa - The Complete Works of Eric Dolphy
サックス2本とブラス2本の4管アンサンブルでエリック・ドルフィーをテーマにした音楽を演奏するドイツのグループ「Potsa Lotsa」の2010年のアルバムを聴く。
- アーティスト: POTSA LOTSA
- 出版社/メーカー: Jazzwerkstatt
- 発売日: 2011/01/25
- メディア: CD
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グループの中心であるドイツ在住の女性リード奏者 Silke Eberhard は、高瀬アキとのデュオで来日経験があり、2人でオーネット・コールマンをテーマにした「Ornette Coleman Anthology」という作品も残している。
この作品は、ドルフィーが録音を残した彼のオリジナル全26曲を演奏する(他に「Other Aspects」の「Inner Flight」にインスパイアされたと思しき彼女のオリジナル1曲あり)というコンセプトで、そのラインアップには「Miss Ann」「Serene」「G.W.」や「Out to Lunch」の5曲といったおなじみの曲たちから、かつてはジョン・コルトレーン作とされた「Red Planet(Miles Mode)」、作者不詳とされていたこともある「April Fool」に加え、チコ・ハミルトン・クインテットで演奏された「Lady “E”」「Miss Movement」までも網羅するというコダワリっぷりである(ちなみに「Far Cry」が無いぞ、と気づかれた方、安心してください、あの曲は「Out There」ですよ。・・ふ、古い)。
2枚組とはいえ、さすがに27曲を演奏するとなると、各曲短くて1分半、長くて7分、概ね2~3分程度になってしまい、ほとんどは原曲イメージを損なわないアレンジがなされているため、アンサンブルによるテーマ演奏を除けば、私を燃え上がらせてくれる特筆すべき要素はそう多くはないのだけれど、彼女らのドルフィー愛と、セロニアス・モンクにも見劣りしないドルフィーのオリジナル曲が持つ『強度』には嬉しくなってしまうのだった。
このグループは一昨年にも、ドルフィーによる公式録音が残されていない「Love Suite」3楽章と「Song for the Ram's Horn」(と彼女のオリジナル6曲)を演奏した「Plays Love Suite By Eric Dolph」というアルバムもリリースしているのだが、そちらも機会があったら聴いてみようかと思っている。
試聴
参考動画
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