あうとわ~ど・ばうんど

Blue Buddha

Blue Buddha

Blue Buddha

Louie Belogenis(ts) Dave Douglas(tp) Bill Laswell(b) Tyshawn Sorey(ds)


ESP-Disk' の「Rejuvenation (Dig)(09年)や Porter Records の「Tiresias」(11年)以降、何をしてるんだか(ホームページもないし)よく分からなかったルイ・ベロジナスが満を持して帰ってきた。しかも、Tzadik レーベルの「Spectrum」シリーズの新作として、メンバーにデイヴ・ダグラス、ビル・ラズウェル、タイショーン・ソーリーを従えて、というのだから非常に驚きである(しかしなぜ「青い釈迦」なんだろう。この人、まさかSGIなの?)。

ベロジナス自身によるライナーノーツをざっと読んだところでは、なんでも昨年末、彼がベネフィット・コンサートでダグラスと共演し感銘を受けていたところ、その一週間後にジョン・ゾーン(「Peace of Earth」で共演しているが、40数年来の友人なのだそう)に会い、突然「Spectrum」シリーズへの録音を依頼され、「じゃあデイヴと共演したい」と言ったら、ジョンが「それはいい。じゃリズムセクションはビルとタイショーンがいいだろう」と即決、あれよあれよという間に今年2月にレコーディングが実現したのだそうである。

アルバムでベロジナスは、コルトレーンばりに多彩なスケールをバリバリ吹くタイプの演奏から、アイラー的なハードな音に情念を込めたようなものまで、やはりベロジナスはこうでなくては、という見せ場がたっぷり。特に、これまでラシッド・アリやサニー・マレーといったドラムの巨人たちとのセッションで名を上げた人だけに、タイショーンとのデュオバトルでも盛り上げる。ダグラス(リーダー作はあまり好きでないけど、この人は脇では時々いい仕事をする)とラズウェルも、多彩な響きでインスパイアし盛り立ててくれる。