あうとわ~ど・ばうんど

ベニー・ウォレス with 山下洋輔 / P.S.アイ・ラヴ・ユー

こちらは、未発表曲を収録しての再CD化。


P.S. アイ・ラヴ・ユー [+1]

P.S. アイ・ラヴ・ユー [+1]

Bennie Wallace(ts) 山下洋輔(p) Jay Anderson(b) Jeff Hirshfield(ds)


懐かしい。このアルバムについてはかなり前に一度(簡単に、ではあるけれど)触れているので、ここでは、この作品に出遭ったきっかけについて書いておこう。

たしか、ジャズ研1年目だから92年、合宿所の研修室でのこと(合宿をしていたわけではないのだが、説明がかなり面倒なので省略する。なお、母校出身者にとっては自明の話)。顔を出すと室内には6年目の先輩がいて、何やら(忘れた)していたのだったが、傍らのラジカセからはジャズが流れていた。

この先輩は、いろいろなサークルに顔を出して、ジャズ研“にも”所属している、というような人で、ジャズに関する知識はあまりなく、普段からジャズを聴くような人でもなかったのだが、なぜかこの時はジャズを、しかも、このアルバムを流していたのだった。その時ちょうどかかっていたのが「チュニジアの夜」で、それが私に深い印象をもたらしたのだ。

先輩がかけていたのは、CDからダビングしたカセットテープで、ラジカセによる音質もチープだった。しかしながら、後にCDを探して聴き、その内容をもちろん気に入りもしたのだけれど、あの薄汚れた部屋の安っぽいラジカセで聴いた時の印象を超えることは実はなかった。でも、あの時の印象深い経験こそが、この作品を今も私的名盤たらしめているのである。


試聴