あうとわ~ど・ばうんど

山下洋輔トリオ+1 イン・ヨーロッパ 1983 -complete edition-

ついに、ついに、ついに、CD化されたっ!


イン・ヨーロッパ 1983 - complete edition -

イン・ヨーロッパ 1983 - complete edition -

山下洋輔(p) 武田和命(ts) 小山彰太(ds) 林栄一(as)


20年以上前、(たしか)ジャズ批評でその存在を知ってから、この日を待ちわびてきた。むろん、これまでジャズ喫茶で何度か聴いたとはいうものの、ついに、ついに、ついに、CD化されたのだ。

しかも、LPでは部分収録だった1曲目「パンジャ組曲」をフルヴァージョン化したのをはじめ、未収録だった武田和命さんをフィーチャーした「Alone Together」と、2009年リリースの「結成40周年記念特別限定盤 BRILLIANT MOMENTS~栄光の山下洋輔トリオの軌跡(DVD付)」で公開された「バトル・ロイヤル」を追加。80分ぎりぎりまで収録した完全盤として、ついに、ついに、ついに、CD化されたのだ。(大事なことなので3回言いました)

演奏は形式論で言えば、第3期トリオから続くお定まりのショーケース、ではあるのだが、林さんと武田さんの個性がそれを吹き飛ばして余りある。林さんは当時30代前半、(60年代後半にプロ入りし70年代はキャバレー中心の演奏活動ながら知る人ぞ知る存在ではあったらしいのだが、一般的には)遅れてきた新人として一躍スターダムに躍り出る素晴らしい音とプレイ。武田さんのテナーサックスも、一音で心を鷲掴みにする。最高だ。

山下さんがこの83年を機にトリオを解散してしまうのも、このフォーマットでこれ以上の高みは無理だと悟ったのが理由の一つではないかと想像する。

今回の日本コロムビアによる再発では「ライヴ・アンド・ゼン・・・ピカソ [+5]」も初CD化されているが、PANJAレーベルの残る一枚「わしのパンじゃ!!」もお願いしたい。(他にもレーベルが違うが、できれば、林さんと国仲勝男さんと小山彰太さんの「THE TRIO」のCD化も希望)


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