あうとわ~ど・ばうんど

Pet Bottle Ningen @ Coo

昨夜(日付が変わってしまったので、2日前のことだが)は札幌くうへ。

Pet Bottle Ningen japan tour 2014
Dave Scanlon(g) 吉田野乃子(as) Dave Miller(ds)

2年ぶりに観たペットボトル人間のライブは、その2年前の日本ツアー後に吹き込まれた2nd アルバム「Non-Recyclable」の路線を深化させた印象で、以前よりも強力だった。

野乃子ちゃんのアルトサックスはキレが増し、デイヴ・スキャンロンのギターから繰り出される多彩なタッピングに加え反復フレーズは呪術的で、ミラーのドラムは変てこな拍子を気にさせないしなやかなリズムを叩き出し、一糸乱れず変態リフを決めたかと思えば野乃子ちゃんの高速ノイズが炸裂し、かと思えば今度は対位法的に複雑怪奇なフレーズを重ねたり、まさに三位一体、3者皆主役で一つの音楽を紡ぎあげていく、実にスリリングなライブだった。


で、物販にてツアー限定CDRを購入。

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Dave Scanlon(g) Nonoko Yoshida(sax) Dave Miller(ds) Chuck Bettis(throat + electronics)

id:zu-ja さんが入手したものとはジャケが違うようである)

ご覧のとおり、現在のペットボトル人間はエレクトロニクスが加わった4人編成になったそうだ(「聴いたら危険! ジャズ入門 (アスキー新書)」を改版したいところですな。なお、新メンバーは今回ツアーには不参加)。肝心のサウンドであるが、このCDR(音、そんなに良くないですが)に記録されているのはまだ、ペットボトル人間+ゲスト、という感じであろうか。とはいえ、エレクトロニクスが絡むところどころに新局面への萌芽は感じ取れ、これを取り込んでグループを進化させようと考えたのも分かる気はする。いずれにせよ、真価はこれからだろう。


ところで、ライブの合間に野乃子ちゃんに聞いたところによると、今回のツアーの演奏はこれまでの3人の演奏とは違うし、現在の4人の演奏から1人抜けたものとも違う、のだそうだ。ペットボトル人間が好きな人は、今回のツアーを見逃さないようにしよう。


現在のペットボトル人間



なお、これは余談だが、田中啓文さんによれば、こないだ完結編が出版された「サキソフォンに棲む狐」は、本当は、主人公が最後はニューヨークに行ってペットボトルニンゲンを始めるところまで書きたかったのだそうだ。(https://twitter.com/ikafue/status/502476441712222208