あうとわ~ど・ばうんど

The Shape of Jazz to Come

まだ、連想ゲーム。
アイラー、サンラー、ラー(ラサーン)、ファラーオと来たからには、次の宇宙交信者はこの人。ラーネット・コールマン。


・・・・・・・・・。

失礼いたしました。


The Shape of Jazz to Come気を取り直して。「The Shape of Jazz to ComeOrnette Coleman」(atlantic)。59年、8曲48分。
フリージャズの古典にして、オーネット・コールマンの記念碑的初期作品(もっとも、オーネットに言わせれば、『フリー』ではなく、ハーモロディクスに基づいた新種のジャズということになるが。ただし理論があっても、誰もが容易に分析でき、使える類型が存在しない(?)ので、自分のような貧しい耳にはフリーにしか聴こえませんが。苦笑)。
本作以前の2作品「Something Else!!!!:The Music Of Ornette Coleman」「Tomorrow Is the Question」は、オーネット曰く『ふつうのビバップのチェンジ』の曲ばかりで、リズムセクションはバップを演奏し、オーネットにもバップフレーズの断片が散見せられるためか、あまりオーネット的な感じがしない。たぶん当時、主に同業者がオーネットの音楽に反発したのは、こういうバップふうの曲で、オーネットが中途半端にバップふうに演奏したために、出鱈目とか下手とか見做されたのではないか。
本作では、おそらく共演者全員がオーネットの意図を理解しているので、前2作のようにオーネット以外のソロでは完全バップになるようなことも極力避けられ、隅々までオーネット感が行き届いている(これはバップの場合も同じで、チャーリー・パーカー1人が素晴らしかったのでなく、ディジー・ガレスピーバド・パウエルマックス・ローチなど、各楽器に同次元で演奏できる仲間がいて初めて大きな潮流になりうる)。この作品こそ、オーネットの出発点と呼ぶにふさわしいと思う。