あうとわ~ど・ばうんど

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Rulemares - Atractor Extraño

新譜

よく知らない奏者シリーズ(?)

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Rulemares - Atractor Extraño(リンク先はPDF)
FMR RECORDS, 2016)
Ramiro Molina(elg) Luis Conde(as) Nicolás Ríos(ds)


情報が少なくてよく分からぬながらチリのグループだそうで、ギターとサックスの2人は Frode Gjerstad の南米ツアーをきっかけに、それぞれ FMR に Frode との共演盤があり、それが縁で英国のレーベルである FMR から南米現地ミュージシャンのみによるアルバム発表につながったと思われる。演奏にエスニック風味はほぼなく、コンポジションと即興を程よく組み合わせたようなスタイルの音楽は、FMR でなく Pi Recording あたりから出してもよさそうな印象である。


試聴





参考動画
www.youtube.com

Sunshine! Quartet

新譜 Martin Archer

今まで聞いたことのない奏者を中心に、海外サイトの試聴で引っかかったアルバムを何枚か仕入れた(のだが、注文したのが先月だったので、何を購入したのだったか届くまですっかり忘れていたw)

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Sunshine! Quartet
Discus Music, 2016)
Martin Archer(as, sopranino) Corey Mwamba(vib) Seth Bennett(b) Peter Fairclough(ds)


英国シェフィールドを拠点に作曲家・多楽器奏者として活動し、自主レーベル Discus より多くのアルバムをリリースしている(らしい)Martin Archer によるグループの作品。ここでの Archer はアルトサックスがメーン。とても良い音で、フリーに突っ込んでいく際はスリリングだし、バラード的演奏の艶っぽさにも背筋がゾクリとした。気に入ったので、これは他にもいろいろ聴いてみたいぞ。


参考動画(カルテット単体の映像がなかったので、4人を内包するグループを)
www.youtube.com

中島さち子 TRIO - 希望の花

新譜 中島さち子

さっちゃんの新譜を聴く。

希望の花 Flower Of Hope

希望の花 Flower Of Hope

中島さち子(p) 米木康志(b) 本田珠也(ds)


曲は 1st アルバム「REJOICE」(10年2月12日参照)でも演奏されていた「故郷」「灼熱」「裏山の。」「Rejoice!!!」や、昨年のデジタルアルバム「Time, Space, Existence」(16年6月11日参照)収録の「光」「希望の花」(「裏山の。」はここでも)、彼女の師である故本田竹広氏ゆかりの曲たち、が2枚組にわたって収録され、トリオのメンバーも本田氏ゆかりの2人。ということは、彼女のキャリアの現時点での集大成ということになるだろう。このメンバーで北海道に来てくれないものだろうか。


www.youtube.com

TROUBLE KAZE - JUNE

新譜 藤井郷子 田村夏樹

藤井郷子さんの新作を聴く。

JUNE (LX009)

JUNE (LX009)

田村夏樹, Christian Pruvost(tp), Sophie Agnel, 藤井郷子(p), Didier Lasserre, Peter Orins(ds)


田村、プリュヴォ、藤井、オリンズのグループ「KAZE」(14年10月1日参照)に、さらにピアノとドラムが加わった新グループ「TROUBLE KAZE」による作品。録音は昨年6月20日(余談だが、エリック・ドルフィー88回目の誕生日。ということを考えると、存命でもおかしくない人なんだなぁとあらためて思う)。メンバー追加によって、トランペット2人、ピアノ2人、ドラム2人となり、ダブルトリオというか、トリプルデュオというか、まあ形状としてはそうだけれど音楽を聴くとそういう感じはしなくて、たんに変則セクステットというべきだろう。皆多くの時間を特殊奏法や内部奏法に費やしているが、なーに小難しいこともトラブルもありはしない、6つの風の向きや強さがあれこれ複雑に絡まり合いやがて去っていく、そのドラマにただただ吹かれていればいい。

ANEMONE - A Wing Dissolved in Light

新譜 DL Peter Evans John Butcher

先ほど「いつかピーターとジョンの共演アルバムも実現してほしいものだ」と書いたが、何と、ジョンはジョンでもブッチャーとの共演アルバムが出た。LPとデジタルのみのリリースでCDはないため、ダウンロード購入した。

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ANEMONE - A Wing Dissolved in Light
NoBusiness Records, 2017)
Peter Evans(piccolo-tp) John Butcher(ts, ss) Frédéric Blondy(p) Clayton Thomas(b) Paul Lovens(selected & unselected ds, cymbals)


2013年11月、フィンランドの Tampere Jazz Happening におけるライブ音源。はるか以前、ピーターの第一印象は、トランペットのブッチャーのようだ、というものであったが、この共演を聴くと、それは見当違いではなかった、ということがよく分かる。ブッチャーにしても、マシュー・シップとの共演で実はジャズ成分が高いことが判明していて、ジャズの歴史を高圧縮したようなピーターのトランペットプレイとは、同じ感性を持った双子のようであり、相性も抜群だ。いやあ面白いなあ。これぞ良質のフリージャズである、と声を大にして言いたい。

John Zorn - There Is No More Firmament

新譜 John Zorn Peter Evans Tyshawn Sorey

There Is No More Firmament

There Is No More Firmament

パーソネルは下記参照


ジョン・ゾーンの作曲家名義作品で、2013~16年に作曲された9曲が収められている。演奏しているのは、トランペット六重奏とか、弦楽三重奏とか、トランペットソロとか、ピアノトリオとか、クラリネットソロとか、ホーンアンサンブルとか。注目はピーター・エヴァンスのトランペットソロであって、しかももともと、ジョンがピーターのため(だけということでもないらしいが)に書いた曲である、みたいなことがライナーノーツに載っている。なるほどピーターの個性をよくわかった、6分ほどながら佳曲である。なおライナーには楽譜が掲載されていて、ほおこのへんはきっちり楽譜通りなのだな、なるほどこのあたりはこんな感じで奏者の裁量に任せられているのだな、などと知れて面白い。ちなみにアルバム内で同じ曲を、ヨーロッパの現代音楽系トランペット奏者がやっぱりソロで演奏していて、解釈の違いがとても興味深い。しかもベルが2つ付いてる楽器(興味があれば画像検索してもらいたい)が非常に効果的に使われていて唸る。タイショーンが参加してるピアノトリオも、他のアンサンブルも良いです。

いつかピーターとジョンの共演アルバムも実現してほしいものだ。



1. The Practical Trumpet Society :
Tim Leopold, Stephanie Richards, Mike Gurfield, Alex Bender, Andy Kemp, Sam Nester (tp);
2. Chris Otto(vln), Jay Campbell(cello), Mike Nicolas(cello);
3. Peter Evans(tp);
4~5. Steve Gosling(p), Christian McBride(b), Tyshawn Sorey(ds);
6. Joshua Rubin(cl in A);
7. American Brass Quintet : Kevin Cobb,(tp) Louis Hanzlik(tp), Eric Reed(hor), Michael Powell(tb), John D. Rojak(bass-tb) Matthew Welch(conduct) + Andy Kemp(tp), Andy Clausen(tb), Marcus Rojas(tuba);
8. Marco Blaauw(W-bell tp in C);
9. Talea Ensemble :
Tara O'Connor(fl, piccolo, alto-fl, bass-fl), Rane Moore(cl, bcl, E♭-cl), Arthur Sato(oboe, eng-horn), Adrian Morejon(bassoon), John Gattis(horn), James Baker(conduct)

道場 弐の巻

新譜 坂田明

坂田明さん参加と知り入手。

弐ノ巻 (ID-07)

弐ノ巻 (ID-07)

八木美知依(el 21-strings koto, 17-strings bass koto, electronics, vo) 本田珠也(ds, per) + 坂田明(as, vo) 太田惠資(el-vln, ac-vln, vo)


スト2人には「道場破り」という肩書が割り当てられているが、例えば坂田さんの昨年の「duo improvisation」(9月26日12月31日参照)のごとく、火花散らし剣が激しく交錯し、負ければ看板を渡さなければならない、切羽詰まった他流同士による果し合い、ではない。どちらかといえば、同門同士、いい仕合をしましょうといった、なごやかな雰囲気である。目当ての坂田さんは2曲に参加、お得意の「音戸の舟歌」がまさにそんな演奏で、もう1曲はやや激しいが、前記作に比べればまだまだ余裕を感じられるところ。むしろ太田さん参加の3曲が素晴らしく、太田さんのインプロヴァイザーとしての凄みをあらためて認識する。デュオによる和洋融合的な2曲も意外といい(というか、こういうコンセプトで一枚作っては、と思うのだが)。