あうとわ~ど・ばうんど

Anna Webber / Clockwise

Clockwise (feat. Matt Mitchell, Jeremy Viner, Jacob Garchik, Christopher Hoffman, Chris Tordini & Ches Smith)

Clockwise (feat. Matt Mitchell, Jeremy Viner, Jacob Garchik, Christopher Hoffman, Chris Tordini & Ches Smith)

Anna Webber / Clockwise
Pi Recordings, 2019)
Anna Webber (ts, fl, bass fl, alto fl), Jeremy Viner (ts, cl), Jacob Garchik (tb), Christopher Hoffman (cello), Matt Mitchell (p), Chris Tordini (b), Ches Smith (ds, vib, timpani)


マット・ミッチェルやダン・ワイスのいずれも Pi Recordings からのラージグループに参加していたアンナ・ウェバーが満を持して同レーベルからのリーダー作をリリース。某所の解説を読むとクセナキスやらシュトックハウゼンやらといった現代音楽作家からインスパイアを受けたようなことが書かれている(わたしにはよく分からない世界だ)が、『時計回り』というタイトルながら、冒頭曲から等間隔に時を刻まず時おり逆回転してみせるかのごとき壊れた時計のような奇妙なリズムや、2曲目では精妙にズレたアンサンブルを聴かせたかと思うと、3曲目の『King of Denmark』はオーケストラアレンジをすればマリア・シュナイダーのレパートリーにもなりそうな王道メロディーを示したりと、アルバム全体に一筋縄ではいかなさが充満している。セプテット内には彼女と同じテナーサックスのジェレミー・ヴァイナーを配し、2人ともヒトクセあるソロを披露するのも好印象。