あうとわ~ど・ばうんど

Jon Irabagon - The Observer

先日聴いた無伴奏ソロで見直したついでに、このアルバムも5年ぶりぐらいに聴き返してみる。

Observer

Observer

Jon Irabagon(as, ts) Nicholas Payton(tp) Kenny Barron(p) Bertha Hope(p) Rufus Reid(b) Victor Lewis(ds)


ケニー・バロン、ルーファス・リード、ヴィクター・ルイスのベテランリズムセクションに、先輩トランぺッターのニコラス・ペイトンが2曲で参加。プロデューサーはドン・シックラー。新伝承派(というタームが現在でも通用するかは知らないが)期待のニュースターとして、メジャーレーベルが力を入れて売り出そうとしているのが分かる。選曲はオリジナルのほか、ジジ・グライスの「The Infant's Song」(「ホエン・ファーマー・メット・グライス」)やエルモ・ホープ・トリオの「Barfly」(この曲だけエルモの妻だったバーサのピアノとのデュオ)、トム・マッキントッシュの「Cup Beavers」(「With Malice Toward None」)を取り入れ、そのスジのマニアへのアピールも怠っていない。

演奏内容は、先日は「非常につまらなかった」とか「最悪の第一印象」と書いたが、言い過ぎた。新伝承派ジャズとしてはよくできていて、かなり折り目正しい作品だと思う。イラバゴンはアルトを中心に、まあどこか軽くこなしているふうは否めないのだが、すごく上手い。が、やはり私にとってはそれだけの作品でしかなくて、当時このアルバムを聴く前から既に YouTube で MOPDtK の活動を知って期待しまくりだったのだから仕方ない。でも偏りきった私と違って、フリージャズもストレートなジャズも等価に聴ける向きには、楽しめる作品であるに違いない。


試聴(7曲目。オリジナル)

www.youtube.com