あうとわ~ど・ばうんど

DKV + Gustafsson Pupillo Nilssen-Love / SCHL8HOF

10月頭に海外注文したが届くまで時間がかかり、おまけに不在連絡票に気づかず10日間以上郵便局に留め置かれてしまい(荷物がないか問い合わせて判明した。返送される寸前だったらしい)、という紆余曲折を経て、11月に入ってからようやく聴けたのである。

SCHL8HOF

SCHL8HOF

Ken Vandermark(cl, ts) Mats Gustaffson(ts, bs) Kent Kessler(b) Massimo Pupillo(elb) Hamid Drake(ds) Paal Nilssen-Love(ds)


DKVトリオに、マッツ、ニルセンラヴ、ピュピロが加わったセクステットによるアルバム。昨年、怒涛の7枚組を出してしまったので、少し毛色の違うものを、という感じなのだろうか。今年出たペーター・ブロッツマンの5枚組「Long Story Short-Curated By Peter Brotzmann」の5枚目(3月2日参照)にも同メンツでのライブが収められているが、本作の録音はその前日らしい。
1曲目はDKVトリオのみで、いつもの楽しいアレ。2、3曲目が6人の演奏ということになるが、これはDKVトリオにゲストが加わったという話でなくて、DKVの3人を内包する弩級グループという風情となる。
ドレイクとニルセンラヴのツインドラムは強烈で、ツインベースも重厚、そしてマッツとヴァンダーマーク長年のコンビネーションはやっぱり抜群。しかしこうして並べて聴くとあらためて2人の個性の違いが面白く、カラッと乾いたヴァンダーマークに対して、マッツはヴァイブレーションやヌメりが際立つ。
すなわちここで数多く展開される通り、マッツが情念の限り泣き叫び喚き、ヴァンダーマークはバックでひたすらリフを吹いている、というのが2人の資質にも向いているわけだが、かといってどちらが主従ということもない。ヴァンダーマークのリフの爆発力は知っての通り凄まじく、2人並び立って抜きつ抜かれつのデッドヒート、共に高みに向かって一直線に昇り詰めていく。たたたたまらん。