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Mars Williams presents: An Ayler Xmas Vol. 2

マーズ・ウィリアムスがアルバート・アイラーをテーマに昨年リリースしたクリスマスアルバムAn Ayler Xmas」(昨年11月2日参照)の第2弾が早くも出た。


Mars Williams presents: An Ayler Xmas Vol. 2
(Soul What Records / ESP disk', 2018)
Tracks 1, 3, 4: Mars Williams (saxes, toy instruments), Josh Berman (cor), Fred Lonberg-holm (cello), Jim Baker (p, arp synth, viola), Kent Kessler (b), Brian Sandstrom (b, g, tp), Steve Hunt (ds, perc), Jeb Bishop (tb track 1 only)
Tracks 2, 5: Mars Williams (sax, toy instruments), Thomas Berghammer (tp), Hermann Stangassinger (b), Didi Kern (ds, perc), Christof Kurzmann (lloopp, vo)


マーズが主宰する Soul What Records と ESP Disk' の共同リリースで、前作と同じ Witches & Devils によるシカゴでのライブが3曲(うち1曲にジェブ・ビショップが加わる)、マーズが単身オーストリアに乗り込み現地のミュージシャンと共演したライブが2曲の全5曲。コンセプトは前作と同様、アイラーの愛奏曲をクリスマスソングと組み合わせて演奏するというものだが、前作で時折感じた曲間の「落差」はほとんどなく、全てが自然に流れていく。というか、今回はわたしの知っているクリスマスソングが少ないためか、最後の「おめでとうクリスマス」を除けば、一貫してアイラーの音楽をやっているようにしか思えないのだが、一方でクリスマスの雰囲気は感じられるのは、聖俗混淆という本質が共通しているからだろうか。前作が壮大なギャグに見えて、実はアイラーの本質を突いた大傑作であると看破したのは田中啓文さんであったが、今作はさらにその進化形といえる。