あうとわ~ど・ばうんど

Fred Anderson Quartet / Live Volume Ⅳ

待望のクリス・ピッツィオコスのライブを平日に2日間観るために、いろいろ無理をして(ただでさえ年末に向けて忙しくなっている)仕事にしわ寄せが行き、おまけにライブレビューを書かねばならなかったので、ブログをすっかり放置してしまっていたが、とりあえず喫緊の懸案は片付いたので、これでようやく再開できる。なおレビューはそのうちどこかに載ると思うけれど、載ったら Sightsong さんのように当ブログでもお知らせする。


未聴アルバムが20枚以上溜まっていたが、まず再開一発目に選んだのは

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Fred Anderson Quartet / Live Volume Ⅳ
(Asian Improv Recoerds, 2016)
Fred Anderson(ts) Tim O'Dell(as, ss) Tetsu Aoki(b) Avreeayl Ra(ds)


これが、シカゴのアグレッシヴ老人フレッド・アンダーソンの最後のライブ録音である。彼の晩年のグループを支えた日本人ベーシスト、タツ青木のレーベルからリリースされている。アンダーソンが自ら経営していたヴェルヴェット・ラウンジでこの演奏が残されたのは、2010年3月19日。おそらくはアンダーソンの81歳のバースデーライブだったのであろう(彼の誕生日は3月22日)。しかしそれから3ヶ月後の6月24日に、彼は召されることになるのである。とはいえ、ここには死の予感めいたものは一切ない。たしかに往時に比べれば音は弱弱しくなったようだが、その瞬間その場における自らの内心に常に忠実であり続けるような、天衣無縫でワンアンドオンリーな『アンダーソン節』は健在であり、むしろ生の喜びに満ち満ちている。その事実が私の胸をいっぱいにするのだ。